先日、アメリカから帰国したゴルフ雑誌の記者が、「これじゃ俺たちは全米オープンも全英オープンも取材に行けなくなる」と嘆いた。
今年の全米オープン開催地近郊のホテルが、1泊200〜300ドルにハネ上がって、一週間で2,500ドル(約28万円)も払ったというのがその理由だ。これはチップを入れての支払い総額だが、その他食事代も値上げされ、一日に使った平均総経費は400ドル(48,000円)と呆れ返っていた。
原因は「タイガー・ウッズの人気に便乗したアメリカ商法」の阿漕なさにあるが、市場原理そのままの商法に、当の主催者USGAも手を焼いている。
このことは何もアメリカ東部だけの問題ではない。1週間30万人もの大ギャラリーが集まるアメリカ西部フェニックス戦でも、ホテルが軒並み値上がった。ぺブルビーチ周辺でもシングルユースのホテル1泊が200ドルの値上げ。この際に儲けようという腹だが、それにしても高い。
値上げの便乗はアメリカだけではない。今年、全英オープン開催地のエジンバラも、ホテル代は1泊150ポンドと高値がついた。通常は60ポンドである。2倍以上の値段。
ホテルだけではない。通常は1泊20ポンドのB&B(日本の民宿)までが3倍の60ポンド(12,000円)。交通機関も、スコットレールKKの1週間パスが2倍の200ポンドにハネ上がった。冬場は観光客ゼロのエジンバラでこのざま。「原因はタイガー・ウッズが出場するから、10万人のギャラリーがくるため、ホテル不足をきたす」ということである。
「今のアメリカはどうかしている。リッチなのは選手とキャディだけ。5億円トーナメントが軒並みなのは異常だ。こんなことなら、日本の借金を返してほしい」と友人は怒った。 |