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山梨国体(やまなし・ゆめふじ国体) フィギュアスケート 武田奈也

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武田奈也

 

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vol.236-2(2005年 2月 4日発行)
葉山 洋/マーケティング・コンサルタント

アディダスの積極姿勢に注目


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アディダスの積極姿勢に注目
(葉山 洋/マーケティング・コンサルタント)

 イングランド・プレミアリーグのチェルシーが好調だ。現在トップを走っている。同時進行のFAカップでも勝ち進んでいる。ロシアの富豪ロマン・アブラモヴィッチ氏が一昨年に買収して以来の積極的な選手補強が功を奏していると言えるだろう。そのチェルシーから続けざまに大きなニュースが発表された。ひとつは2003−04シーズンの損失がイングランド史上最高の8800万ポンド(約172億円)に達したこと。これに関してはオーナーの資産規模からしてまったく問題になっていない。そしてもうひとつは、アディダスとの2006−07シーズンからの8年間のスポンサー契約である。

チェルシーのユニフォーム・サプライヤーはアンブロ。契約は2011年まで有効だったが、これを早期解約してアディダスとパートナーシップを組む。解約金は2450万ポンド(約48億円)にも達するそうだ。一方現在のメーン・スポンサーはアラブ首長国連邦(UAE)のエミレーツ航空だが、クラブは昨年の秋に「ビッグなクラブに相応しい世界企業をスポンサーに迎え入れる」として契約を今シーズン限りとすることをあえて発表している。そのエミレーツ航空はライバル・クラブのアーセナルと1億ポンド(約196億円)の包括契約を締結(昨年10月)して話題を呼んだ。今回のアディダスとの合意金額は発表されていない。しかしアンブロへの解約金を勘案しても十分に魅力ある金額(バリュー)であることが想像される。恐らくは1億ポンドレベルであろう。イングランド・サッカーを取り巻くビジネスは一層グローバルに発展しているようだ。

大きなディールが話題になる中で、ここのところアディダスの積極策が特に目立つ。1月19日には国際サッカー連盟(FIFA)と2010年、2014年のワールドカップを含む3億5100万ドル(約358億円)のパートナー契約を締結。世界に衝撃が走った。慎重なことにアディダスは、2010年大会のホスト国である南アフリカサッカー協会の公式スポンサーにも既になっている。世界の多くのクラブ、サッカー協会とも密な関係を構築しているのは言うまでもない。

それから1週間もたたない1月24日、北京で2008年オリンピックの公式スポーツウェア・パートナーとしての組織委員会(BOCOG)との契約調印が行われた。中国企業以外のローカル・パートナー企業(現在7社決定)はフォルクスワーゲンに続いて2社目である。あくまでもオフィシャル・ステイタスを強調して販路とビジネス拡大を追及するアディダスの戦略は従来から基本的には変わらない。しかし昨今明らかにされた莫大な規模に達するマーケティング費の投資収益率(ROI)は、中長期にわたっていかに正当化されるのだろうか。今後の展開を慎重に見極めてゆきたい。


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