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第9回世界陸上 パリ大会2003年 野口 みずき(JPN)

(C)photo kishimoto

2003年
第9回世界陸上 パリ大会
マラソン
野口 みずき(JPN)

 

SPORTS IMPACT
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(C)photo kishimoto
vol.244-2(2005年 4月 1日発行)
葉山 洋/マーケティング・コンサルタント

京セラ、ブラジル進出

松原 明/東京中日スポーツ報道部
  〜ジーコ監督の問題点〜
今城 力夫/フォトジャーナリスト
  〜宮里藍はどこまで進歩するのか?〜
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京セラ、ブラジル進出
(葉山 洋/マーケティング・コンサルタント)

 ブラジル、サンパウロの南に位置するパラナ州の州都、クリチーバ。この地に日本企業の名前が付いたスタジアムが登場した。KYOCERA ARENA(京セラアリーナ)である。

 3万1000人の収容力を持つブラジルで最もモダンなファシリティを備えたスポーツ施設。オリジナルの名称はアレーナ・ダ・バイシャーダと云い、地元のサッカー・クラブ、アトレチコ・パラナエンセがホームスタジアムとして建設した。スタジアム・ネーミングライツの契約成立はブラジルでは初めてだ。

 3月22日に公表されたパートナーシップは、クラブと京セラミタ アメリカ社の間で調印されたもので、当面3年間の契約だという。契約金額は明かされていないが、数百万ドル規模であろうと思われる。契約の一環としてプレーヤー・ユニフォームの胸にはKYOCERAのロゴが表示されることになる。

 京セラのサッカー支援では現在J2の京都パープルサンガが思い浮かぶが、今回のコミットメントはグループ企業の京セラミタが主導した。

 三田工業が2000億円を超える負債を抱えて大阪地裁に会社更生法の適用を申請したのは1998年の8月。京セラの支援を受け、京セラミタとして再出発することになった。当時から業績的には国内よりアメリカを始めとするに海外市場の方が堅調だったようだ。ブラジルに関しては、今年の5月にはサンパウロに現地法人が開設される予定だという。

 アトレチコ・パラナエンセは2001年にはブラジル選手権に優勝した有力チームで、今シーズンはリベルタドーレス杯でも健闘している。クラブの創設は1924年、伝統的なチームだ。

 このディールを取り仕切ったのはクリア・チャネル・コミュニケーションズという企業グループである。日本には馴染みの薄いクリア・チャネル社は米国企業。社名からも想像できるように、本業は全米をカバーするラジオ・ネットワークだが、アウトドア広告ビジネスも手広く展開している。

 クリア・チャネル傘下のラジオは1200局以上。さらに米国外でも240局に資本参加をしている。ロック関連プログラムの60%以上を押さえているとも言われ、結果として全世界の10億人を超えるリスナーに対し何らかの影響を与えていることになるのだ。これは凄い!

 コンサートやライブハウスを押さえ、エンタテインメント・ビジネスのジャイアントと称されるクリア・チャネルは音楽事業に加えてスポーツ界でも存在感を増している。新領域への参画は、2000年にSFX社を買収することによって一挙に実現した。

 ロシア、インド、中国とともにBRICs諸国のひとつに数えられるブラジルは近未来に大きく経済発展を遂げるだろうと予測されている。2014年のFIFAワールドカップはFIFAが南米での開催を決定し、CONMEBOL(南米サッカー連盟)がブラジル支持を打ち出したことにより、事実上ブラジル開催が内定している。京セラミタ、クリア・チャネルともにブラジルの将来性にいち早く着目し、アクションをとった企業だと言えるかもしれない。


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