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vol.278-2(2005年 11月25日発行)
杉山 茂/スポーツプロデューサー

Lリーグクラブと高校の「合体」


滝口 隆司/毎日新聞運動部記者
  〜四国に続く独立リーグの波〜
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Lリーグクラブと高校の「合体」
杉山 茂/スポーツプロデューサー)

 日本女子サッカーリーグ(Lリーグ)1部の「岡山湯郷Belle」(湯郷ベル=今季6位)が、同クラブのユースチームとして岡山県津山市の私立・作陽高サッカー部女子を抱え、来年4月から「同一クラブ」で活動することを明らかにした(11月23日)。

 高校スポーツ界にいずれこのような日が来ると期待していたが、予想より早い“実現”である。

 複数のチームを1つのクラブで扱う方向は、日本サッカー協会が打ち出している構想にも合い「湯郷ベル」からの申請は受け容れられるだろう。JリーグやLリーグ(なでしこリーグ)でも初めてのケース、もちろん、日本のスポーツ界でも画期的な行動だ。

 いまのところ、作陽高校は単独の練習以外に週3回程度「湯郷ベル」と合同のトレーニングを行うほか、「湯郷ベル」の選手を職員に採用、指導をうける計画がある。

 高校のほか、Lリーグでのプレーも可能(人数などの制限はある)で、総てに成果が注目される。

 「湯郷ベル」は、2001年に岡山県美作町(みまさかちょう、当時。05年に美作市)がスポーツを通じた地域振興策の一環として設立、03年Lリーグ(2部)入り、04年優勝を飾って今シーズンから1部に昇格、トップゾーンへ躍り出たクラブだ。

 当初からクラブ像の1つに「一貫指導システムの確立」を掲げ、クラブで育てた選手がリーグ参加を経て、世界に通用するレベルへ育つことを目標としていた。作陽高校との合体は、日本の女子サッカーにも、プラスになるだろう。

 こうした動きをきっかけに高校スポーツも変わらねばならない。この世代の愛好者が総て甲子園を、花園を、国立を目指していると思いこむ時代ではとうになくなっている。

 「部」のなかに“競技”と“エンジョーイ”の2つの流れをつくり、それぞれ指導者(外部からのコーチを含めて)を配置すれば、愛好者人口は一気にふくらもう。

 大学(学生)では、古くから“体育会”と“同好会・愛好会”が自発的に組織されている。高校では、それを学校側主導で展開するのだ。

 今回のように地域クラブとタイアップするのも積極化されていい。

 ところで、サッカー界の新しい試みに、多くのスポーツ人は「勢いのあるサッカーだからできる」と半ばあきらめ顔だが、頼りなさすぎないか。

 Jリーグが生まれてからすでに13年。サッカー界に“先行”する施策やアイディアが次々と現われてこそ日本のスポーツ界は「前進」を図れる―。


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