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vol.302-3(2006年 5月26日発行)
松原 明 /東京中日スポーツ報道部

「諦めを一掃したタイガース」


 昨年アメリカン・リーグ中地区4位、優勝争いに無縁だった、タイガースが、連覇を目指すホワイトソックスと、猛烈な競り合いを続け、ファンを驚かせている。

 これは、前回に紹介したレッズの改革と似ているが、レッズは、新オーナーの叱咤激励が効いているのに対し、タイガースは、チームに染みついた諦めのムードをぬぐい去り、「オレたちは勝てるんだ」と、立て直した、新監督、ジム・リーランドの鮮やかな指揮ぶりによるところが多い。

 リーランドは61歳。パイレーツでナ・リーグ東地区3連覇、マーリンズでは、1997年にワイルドカードから、見事にワールドシリーズ優勝させた名将。監督引退後は、親友トニー・ラルーサ監督を手伝い、カージナルスのスカウトを5年間やっていた。

 1999年から7年ぶりに現場復帰したのは「2001年から毎年90敗以上。2003年は119敗もした。選手は簡単に諦め、気力がない。是非、立て直してくれ」と、マーリンズ優勝時代のGMで、現タイガースの会長兼GMのデーブ・ドンブロースキーの要請で腰を挙げた。

 スター遊撃手で、タイガースの顔だった、アラン・トランメル前監督は、転落するチームにカツを入れるには不向きだった。

 2005年10月4日。監督に就任したリーランドは、選手に手紙を書き、自分の野球への意気込みを伝え、フロリダ・キャンプでは、選手と個別に面談、情熱を燃やす道を訴えた。タイガースのマイナー捕手出身。下積みが長いリーランドは、パイレーツ、マーリンズで選手にやる気を起こさせるには、何が必要か、を知っていた。

 コーチ陣には、パイレーツ時代の腹心を集め、監督経験者が2人もいる、気心の知れたスタッフでスタートした。「この監督ならやれる」と、昨年くさっていた、オールスター捕手、ロドリゲスも心服し、チームは目覚めてきた。
前監督が苦労して育てた若手投手も成長し、今や、リーグ屈指の投手陣。選手を惹きつけるカリスマ性がいかに大事か、リーランドは、全員の信頼を集めて、第1段階を乗り切った。

 「野球には、メンタルな面が大事なのだ。このケアを怠らなければ、選手は、必ず出てくる。目覚めれば信頼して使うことだ。彼らは期待を裏切らなくなる」GMもリーランドの意向を受けて、2人のベテラン投手をオフに補強。

 若手投手陣に厚みを増した。GMと監督のマーリンズ・コンビが復活し、コーチ陣との関係が一体だからこそ、短期間にこれだけまとまった。いまや、タイガースは、1984年以来の優勝を目指せる力を備えてきた。

 旋風を起こすのではないか、と楽しみにしている。

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〜広げたい「ゆうボール」の輪〜
  滝口 隆司/毎日新聞大阪本社運動部記者

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