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vol.308-2(2006年 7月 4日発行)
松原 明 /東京中日スポーツ報道部
「ケルンのサッカー博物館」

 ドイツのサッカー・スタジアムには、数多くの博物館が併設されている。
W杯会場になった、ケルンのライン・エネルギエ・シュタディオンには、ここをホームとしている1.FCケルンの歴史を伝える博物館がある。

 58年の歴史がある、1.FCケルンには、奥寺康彦選手(現横浜FCクラブ社長)が1977年から活躍。その足跡が博物館に掲げられている。日本から、多くの選手が欧州でプレーしたが、博物館に掲額されている選手は、奥寺さんしかいない。

 ケルンは大聖堂で有名だが、その中央駅から、市電に乗り継いでゆくと、このサッカー場の目の前に停まる。

 伝統のある、各クラブは大小の差はあるが、ほとんど、博物館を併設し、クラブの歴史、スター、試合を後世に伝えている。

 日本代表がドイツ代表と試合をした、レバークーゼンのバイ・アレナもホテル、レストランが内部にあり、アリーナ全体で、100年を超す歴史がサポーターを包み込んでいる。

 どのスタジアムも緑濃い公園の中にあり、芝生の遊び場がある。大小の練習場もあって、自然にサッカーを楽しめる雰囲気が実に素晴らしい。

 日本では、カシマ・スタジアムが内部に「カシマ・ミュージアム」をオープン。アントラーズの歴史展を開いたのが、サッカー博物館の第1号。日本サッカー協会は、お茶の水に移転したビル地下にミュージアムを建設。一般公開したが、戦前の先輩方の資料は散逸。収集に苦労している。

 他のJリーグ・サッカー場は、公共の建物が多く、博物館の併設など、とても手が回らない。

 ドイツの会場を見て、サッカーの受け止め方、歴史の重みを痛切に感じた。豊かな歴史と伝統からサッカーは生まれ育つ。日本にこういう文化が根付くのは、いつになるだろうか。

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