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vol.309-3(2006年 7月13日発行)
松原 明 /東京中日スポーツ報道部
「大リーグのファンとの結び付き」

 2006年の大リーグ・オールスター・ゲームは、アメリカン・リーグが9回2死無走者から逆転勝ちする劇的なフィナーレで、その真剣勝負には感動させられた。これで、1997年から1引き分けを挟んでアメリカン・リーグは9連勝。
私が言いたいのは、この結果のことではない。

 長年、大リーグを取材してきて、痛切に感じるのは、ファンを大切にする姿勢だ。今年も、バド・シリグ・コミッショナーは、ファンからの質問をインターネットを通じて公募。さらに、開催されたピッツバーグの「ファン・フェスト会場」からも質問を受付け、これに、丁寧に答える対話集会を開いた。

 試合当日の午後2時から約30分間しか時間がないため、どこまで、ファンの素朴な疑問に答えられたかは疑問だが、6年間も続いている、この質疑応答は、ファンには何か、今の野球への手がかりを得られたに違いない。

 「DH制度の廃止はしない」「マイアミからマーリンズの移転はない」「薬物使用禁止の効果は出ている。さらに継続したい」「最下位に落ちている地元、ピッツバーグのみなさん、忍耐で盛り上げてください。タイガースだって3年前は119敗もしたのです」コミッショナーは終始真面目に答えた。

 機構首脳、選手会だけで独走していては大リーグの繁栄はない。
ファンあっての大リーグ、という基本姿勢がいいのだ。

 日本のプロ野球には、全く、このような応対もない。これでは、野球人気を拡大したい、と言っていても、できないのではあるまいか。

 みんなが真剣に、ファンとの交流を考えようではないか。本当に、日本のプロ野球は駄目になってしまう。

 この直言を、だれも、言い出さないのが悲しい。

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