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vol.299-2(2006年 4月28日発行)
滝口 隆司
毎日新聞大阪本社運動部記者

巨人戦の視聴率と原野球の質


松原 明/東京中日スポーツ報道部
  〜「マリナーズの曲がり角」〜
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巨人戦の視聴率と原野球の質
滝口 隆司/毎日新聞大阪本社運動部記者)

 4月第3週までの巨人戦の視聴率が前年比で微増したことに対し、日本テレビ放送網の久保伸太郎社長が「ある程度野球が好きな人が戻ってきてくれた」と語ったという。ところが、翌日付の朝日新聞は「巨人戻らぬ視聴率」の記事を掲載。24日時点のナイター中継平均視聴率は13.2%。前年よりは0.3%アップしているのだが、過去の記録では下から2番目の数字であることも事実だ。

 テレビの前にファンは戻ってきたのか。今のところ、答えはノーだろう。いや、それどころかテレビ局が巨人戦の放映に疑問符をつけ始めている。

 きのう、27日の広島―巨人戦(広島市民球場)は地上波で放送されなかった。スポーツ報知によれば、優勝決定後の消化試合で放送されなかったケースはあるものの、開幕1カ月もたたない段階で地上波で中継されないのは初めてだという。

 結局、CS放送スカイパーフェクTV!の専門チャンネル「Jsports Plus」が単独中継した。当初は録画放送の予定だったが、地上波もBSも放送しないことが分かって急きょ放映権を獲得したそうだ。

 1試合あたりの放映権料が1億円ともいわれた巨人戦。それをCS放送が単独放送するということは、かなり値崩れが起きているのではないかと連想させる。

 ただし、私は今年の巨人には好感を持っている。原監督が前回監督時代の2002年、巨人を担当していたが、この人の野球はなかなか面白い。

 思い出されるのは横浜戦だ。競り合いの終盤、チャンスを迎えた巨人は代打に投手の桑田を送る。相手の横浜・森監督は「侮辱された」とばかりにベンチを飛び出し、投手交代を告げるのだが、桑田はバントの構えからヒットエンドランを成功させ、巨人がこの試合をものにした。原野球は常に「ベンチ主導」であり、意表をついたサインプレーが相手だけでなく、観客をも驚かせる。

 選手起用にしても、若い選手を次々と二軍から登用し、チャンスを与えた。その手法は、FAで他チームの主砲ばかりをかき集めた長嶋野球とは異なった。

 今年は清原や江藤が他球団に移り、ロッテから李スンヨプと小坂、西武からはストッパー豊田を獲得した。これに鈴木や川中、矢野といった控え組が先発メンバーに名を連ねるようになってきて、昨年までの巨人とはかなり趣が変わった印象が強い。

 原監督は9日の中日戦で4番の李に送りバントを命じた。接戦の終盤で用いた意表を突く「ベンチ主導」の野球だった。バントはファウルになったが、李はこの後、安打を放ち、大量得点の口火を切った。

 高校や中学の指導者が見ても、参考になる選手起用法や采配が随所に見られるのではないか。V9時代、川上監督が「ドジャースの戦法」を日本に持ち込み、それが底辺層にも広がっていったように、巨人には野球界のリーダーとして、質の高い野球を常に見せなければならない責任がある。目先の視聴率に一喜一憂するのはメディアだけにして、巨人には徹底して「野球の質」を追及してもらいたい。それがファンをテレビの前に戻す一番の近道だと思える。


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