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vol.359-1(2007年7月 2日発行)
葉山 洋 /マーケティング・コンサルタント

7連覇なるか?

 ツール・ド・フランスを1999年から2005年まで制し、前人未到の7連覇を達成したランス・アームストロングの話ではないので、あしからず。

 今回はフード・ファイト。大食い、早食い競争である。

 アメリカの独立記念日にあたる7月4日、ニューヨークのコニーアイランドで「*ネイサンズ国際ホットドッグ早食い選手権」が開催される。この大会に出場し、優勝を期待されている小林尊(コバヤシタケル)さんの動静に注目したい。

 2001年の劇的な優勝から6連覇。173センチ、75キロ、29歳の日本の青年は、大男揃いのアメリカ人「選手」の中に入ると一際小柄に見える。だからこそおおいに注目を浴びるし、人気も高いのだ。

 スポーツ? それはよくわからないが、少なくともアメリカで人気のToppsトレーディング・カード(スポーツ・野球カード)のキャラクターとしてTakeru Kobayashi(http://www.topps.com/sports/news/toppsNews.aspx?news_id=104)が堂々と取り上げられているのは紛れもない事実だ。

 昨年彼自身が打ち立てた「世界記録」は、なんと12分間でホットドッグ53と3/4本。常人の想像をはるかに超えている。圧倒的な強さを見せつけてきた小林さんだが、実は今回の闘いには暗雲が垂れ込めている。渡米を直前に控えた6月24日、彼の武器である顎が突然不調を訴えたのだ。症状は「顎関節症」。痛みが強く、口が指一本分しか開けられなくなったしまったという。

 顎の蝶つがいにあたる部分の軟骨がずれて、炎症をおこしているようだ。小林さんは「職業病」のようなものと云い、ピッチャーが肘を故障したようなものと説明する。永年の闘いと厳しいトレーニングによる無理が蓄積したのは間違いなさそうだ。

 あらゆる治療を試みてネイサンズ選手権出場を果たそうとしている小林選手。症状は快方に向かっているというが、出場がかなったとしても、今回のライバルはちょっと手強い。カリフォルニアの大学生、ジョエイ・チェストナッツ君は数週間前に別のイベントで小林さんの世界記録を破るホットドッグ59本の新記録を達成し、打倒Kobayashiを誓っていると伝えられているのだ。

 がんばれ小林尊選手。一日も早くコンディション回復されんことを! 日本のニッチなヒーローのガッツに拍手を送ろうではないか。

 でも、決して無理しないでね。

*ネイサンズ(Nathan's)。1916年にニューヨークのコニーアイランドで創業したホットドッグストア。事実上ファストフードの元祖である。2003年原宿に日本の一号店をオープン。

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