第29回ミズノスポーツライター賞発表(2019年3月6日)
■2018年度 第29回 ミズノスポーツライター賞 受賞作品
スポーツメントール賞はこちらをご覧ください。
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「2018年度 ミズノ スポーツライター賞」受賞者決定
公益財団法人ミズノスポーツ振興財団では、1990年度から「ミズノ スポーツライタ
ー賞」を制定しており、2018年度で29回目になります。この賞は、スポーツに関す
る報道・評論およびノンフィクション等を対象として、優秀な作品とその著者を顕彰する
とともに、スポーツ文化の発展とスポーツ界の飛躍を期待し、これからの若手スポーツ
ライターの励みになる事を願い制定したものです。
3月6日(水)、グランドプリンスホテル高輪で選考委員会を開催し、受賞作品および
受賞者を以下の通り決定いたしました。
なお、この「ミズノ スポーツライター賞」の表彰式は、4月23日(火)にグランド
プリンスホテル新高輪で行います。
■最優秀賞 (トロフィー、副賞100万円)
『氷上のドリアン・グレイ』-美しき男子フィギュアスケーターたち-
氷上のドリアン・グレイ―美しき男子フィギュアスケーターたち
鈴木 ふさ子(すずき ふさこ)(発行:アーツ アンド クラフツ)
【 選 評 】
「美しき男子フィギュアスケーターたち」という副題にあるように、フィギュアスケートで世界的に注目された内外5人の男子選手を取り上げ、その活躍ぶりと魅力を「文芸批評」の方法を駆使して描いた、これまでに類書を見なかった「アート視点のスポーツノンフィクション」である。
冒頭のエピグラフが「君を夏の一日にたとえようか」というシェイクスピアの有名なソネット。プロローグでまず著者は、2006年トリノでのアメリカ代表ジョニー・ウィアーのフリーの演技を紹介する。メダルを期待され、ショートでは2位につけたウィアーは、実のところフリーではミスが続出して総合5位に沈むのだが、しかし著者は「オトナル―秋に寄せて」の繊細なピアノの旋律に乗り、「ガラス細工のような透明感と暗鬱な倦怠感(アンニュイ)をひと匙加えたような顔立ち、細いその身体、隅々まではりつめた清潔感と官能的な手のしなり」に魅了される。それはまるでワイルドの童話「幸福な王子」のようだ。著者はこうしてフィギュアの王子たちに言葉によって永遠の命を吹き込もうと試みる。
最初に取り上げるのは羽生結弦。彼は「怜悧な眼差しのロミオ」に擬せられる。羽生のシニアデビュー2年目、2012年、南フランスのニースで行われた世界選手権で見事3位に入った彼のフリーの物語が「ロミオとジュリエット」だった。彼は有名なニーノ・ロータの良く知られたロミオではなく、現代風にアレンジされたディカプリオ版の「ロミオ+ジュリエット」の曲を使って演技した。著者はロミオとジュリエットの物語を手際よく紹介しながら、羽生へのインタビューを通じて「シェイクスピアでもない映画でもない、その両方を取り込んだ僕のロミオを表していきたいな」という言葉を引き出している。そして14年のソチ五輪のフリーでは、ジョニー・ウィアーと羽生が話し合って作ったという美しい衣装(章の扉にその写真が載っている)を着てロミオを演じ、冒頭の4回転の転倒をはね返して金メダルに輝いたのだった。
著者はフィギュアスケートをスケート技術の側面とともに、その芸術表現をことのほか重視して鑑賞し、観察している。かつての王者エフゲニー・プルシェンコにインタビューして「スピンもステップも大事ですが、観客とジャッジに自己を表現し、観客やジャッジとともに滑ろうという姿勢も必要だ」と言わせている。羽生についてはその後の彼が4回転に対しても次々と新たな挑戦をする一方で「SEIMEI」に見るように、映画『陰陽師』に主演した狂言師の野村萬斎から型を学んで新たな表現を工夫したことが語られる。著者に言わせれば「いにしえの平安時代へと芸術表現を通じてジャンプする。それは4回転よりも高い飛翔なのだ」ということになる。
次章の高橋大輔は「悩める王子、ハムレット」である。章のエピグラフは例の「このままでいいのか、いけないのか、それが問題だ」である。
このセリフに高橋のこれまでの歩み、栄光とケガによる後退、羽生はじめ新たなライバルとの確執―高橋は「ガラスの心を持った」迷う王子様なのである。音楽という点では高橋と縁が深いのは、フェリーニの映画『道』の中の「ジェルソミーナのテーマ」で、著者は『道』の紹介と高橋の歩みとを絡ませて語り、音楽を表現するのではなく。音楽そのものになり切れる高橋の表現力や彼のダンスの才能について語ってやまない。
続いて、4回転ジャンプ論争に際して、全力を上げて4回転を守ろうとしたブライアン・ジュベールをアーサー王の騎士ランスロットに見立てた章、チェコ出身で浮き沈みの激しい競技生活を送ったトマシュ・ヴェルネルをフランスの青春詩人アルチュール・ランボーに譬えた章を経て、終章で著者のフィギュアへの開眼のきっかけとなったジョニー・ウィアーが改めて登場する。彼こそが本書の表題になっている「氷上のドリアン・グレイ」である。オスカー・ワイルドの代表作であり、同性愛を耽美的に描いた作品の主人公であるドリアン・グレイがウィアーに重ねられる。女性に見まがう美貌と美しい衣装、華麗な芸術表現で全米選手権を3連覇したウィアーは、しかしトリノ五輪で惨敗し、抗議メールが殺到したという。その後、華麗な復活劇を遂げるものの、美の求道者としての彼の芸術表現は必ずしも正当に評価されていないと著者は考える。ワイルドの描いた類まれな美青年ドリアンにウィアーをなぞらえたことを本人にも同意させて悦に入る著者は、ウィアーのアイスダンスでの「ユー・レイズ・ミー・アップ」の演技を讃えて本書を終える。
5人のスケーターの代表的なプログラムをめぐり、その選曲、テーマとなる物語をそれぞれがどう解釈し、それを自分のスケーティングとどう一致させるのかという表現者としての思索、フィギュアスケートの芸術的側面とスポーツ的側面(競技的側面)をいかにバランスよく両立させるのかというスケーターとしての価値観の模索からは、フィギュアスケートの奥深さを改めて知らされた。また、同じもの(演技)は二度としてないという「一回性」の儚さにこそ美しさがあるとする著者の、移ろいゆく若い男性の身体とそのパフォーマンスに向けた文学者的な視点にも共感できた。独自の視点から長年にわたり世界のトップレベルのスケーターと接し、彼らを十二分に理解しているライターだからこそ実現できた作品であり、門外漢にも実に分かりやすい。
フィギュアスケートは、意図を持って表現することを点数化して優劣を競う。自分なりの表現を「プログラム」として観客とジャッジに提示するという難しさがある。それゆえ技術的に高度な様々な要素をこなすことばかりでなく、演技に物語性を持たせ、個性と芸術性を加えねばならない。それには経験を積むごとに深まっていく自分というものの理解が求められる。これまでほとんど顧みられなかった文芸的な視点による分析と解説が加わることで、フィギュアスケートの複雑な世界に新たな奥行きが加わったと言えるだろう。
■優秀賞 (トロフィー、副賞50万円)
『挑戦者たち』―男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて―
挑戦者たち 男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて
田村 明子(たむら あきこ)(発行:新潮社)
【 選 評 】
本書は羽生結弦の連覇で平昌五輪が幕を閉じた後、今の男子フィギュアスケート界を支えている国内外のスター選手や、その礎を築いた往年の名選手や指導者を、「挑戦者」として群像的に紹介するものである。各章一人ずつとりあげ、「役者」がひととおり揃ったところで、最終章(第9章)で平昌五輪男子フィギュアスケートの試合場面が再現される構成となっている。
著者は、1993年からフィギュアスケートの取材を続け、これまでにも数々の著作を出してきたジャーナリストであり、高校生の時から40年間ニューヨークに在住して英語も堪能である。ボランティアで選手の会見時の日英通訳を務めることも多い。日本人であること、メディアや情報の中心地であるニューヨーク在住であること、この二つが著者の存在を特別なものにしている。その英語力と取材で培った人脈を活かして精力的にインタビューをこなし、羽生結弦、宇野昌磨の平昌五輪金・銀メダリストはもちろん、美しいスケーティングが代名詞のカナダのパトリック・チャン、2015年、16年の世界選手権を連覇したスペインのハビエル・フェルナンデス、今や羽生や宇野の強力なライバルへと急成長した中国系アメリカ人のネイサン・チェンなど海外トップ選手、さらに4回転ジャンプの草分けで、羽生が憧れ手本とするロシアのエフゲニー・プルシェンコ、1948年のサンモリッツ、1952年のオスロで、羽生以前にオリンピック連覇の偉業を成し遂げたスケート界の重鎮で、現在アメリカでプロ大会を主催する大物プロデューサーのディック・バトン、幼少期から高校まで羽生の指導にあたった都築章一郎についても、貴重なインタビューの機会を得て本書にとりあげた。当初は女子やペアを包含するプランだったが、日本男子選手の歴史的快挙があり、男子一本に集中して書き上げたとのことである。もともと、著者が一番の関心を寄せてきたのは男子シングルの選手たちであり、それだけに各章の登場人物はとても魅力的で、その「挑戦者」としての描き方には付け焼刃ではない深みが感じられる。
本書のオリジナリティは、選手がどのような言葉で自分のスケートを語るのか、それを引き出す役割を著者が果たしていることにある。プロの同時通訳者には、選手のヒストリーやプロフィールなど、スケート界の事情やスケートの専門知識に精通している人はなかなかいない。それを両立可能にしている稀有な存在として、日本人選手の会見通訳を行きがかり上、急遽引き受けることも多い自称ボランティア通訳の著者は、選手の傍らにいて彼らの息遣いのなかにある緊張感や高揚感をじかに感じとりながら、選手たちのスケーティングにかける思い、表現したいことや言いたいことを、いかに正確に英語に乗せて海外メディアに伝えていくのかに腐心し、言葉を選ぶ精一杯の努力をリアルタイムで続けている。その通訳の臨場感と奥深さは、2017年10月のロシア杯での
羽生結弦の会見、そして11月の怪我から3ヶ月ぶりに公の場(=平昌五輪会場)に姿を見せた彼がオリンピック復帰の事前会見する模様をつぶさに再現したくだりに凝縮されている。選手の話す一言一句を噛み砕いて、別の言語にできる限り忠実に変換していく通訳の過程そのものが、ライブのインタビューのようでもあり、それはリンクやTV画面上で目にすることのできる選手の身体パフォーマンスを通じたメッセージと同じくらい強く訴えかける彼らの言葉のメッセージとして貴重である。スポーツの中でフィギュアスケートは演技力が重視され、芸術的な評価範囲が大きいものの一つ。そのことは選手の心の内面がパフォーマンスに大きく影響することに他ならない。そのようなスポーツの領域でメディア通訳を務めることの難しさ、そして誇りが、本書からは伝わってくる。
いっぽう、人の発言の真意や意図を伝える媒介者として言葉を扱うことの責任の重さや怖さも知らされる。誤訳は、場合によっては通訳者の誠実さまでもが疑われる背信行為である。本書では、2017年12月に日本で開催されたGPファイナルでのロシア人選手の会見で、連盟が雇った日本人ロシア語通訳が許容範囲を超える重大な誤訳をしてしまった顛末が、著者の自戒の念もこめて紹介されている。これに限らず、人気選手の囲み取材では傍らで関係者がストップウォッチを持って時間を制限するなど、国際大会をとりまくメディアの現場の舞台裏について、本書を通じて初めて知らされることも多かった。スケート連盟に対して著者が取材者の立場から呈する苦言からは、選手をバックアップする体制がじゅうぶん整っていない現状も伝わってくる。
著者は日本選手を通してのみフィギュアスケート界を見てはいない。常に世界トップのフィギュアスケートが興味と関心の対象であり、日本選手は徐々にその円のなかに入って来たということだろう。それゆえ、「羽生結弦とライバルたち」ではない、「フィギュアスケートの世界」そのものを見せてくれるのが本書の醍醐味だ。日本選手がたとえ主要大会で表彰台に乗らなくなっても、著者は会場に通い続け、フィギュアスケートの世界を伝え続けるだろう。トリノ、バンクーバー、ソチ、平昌と4大会連続で新潮社から出版しており、そのたゆまぬ取材とライティングの継続性も評価されてよいだろう。
■優秀賞 (トロフィー、副賞50万円)
『東欧サッカークロニクル』-モザイク国家に渦巻くサッカーの熱源を求めて―
東欧サッカークロニクル
長束 恭行(ながつか やすゆき)(発行:カンゼン)
【 選 評 】
2014年のサッカー、ブラジルワールドカップの緒戦、ブラジル対クロアチア戦で、日本の西村主審がブラジルに与えたPKは是非をめぐる議論になったが、クロアチアでは当初すさまじい反日キャンペーンが巻き起こった。サッカーとなれば度を超すほど熱くなるこの国に長く住み、旧ユーゴ諸国のサッカーを取材してきた著者は、その2ヵ月後、クロアチアに戻るのが恐ろしかったという。著者は、1997年24歳のときの初めてひとり旅で向かったクロアチアで、ディナモ・ザグレブの試合に感銘を受け人生観が変わった。銀行を辞めクロアチアに留学して言葉を身につけ、悪名高いサポーター集団BBB(バッドブルーボーイズ)にも入会する。本書は、2001年からザグレブに住み、その後はリトアニアに居を定め、サッカー取材を続けるライターの短編集である。
取り上げられる国とチームは、旧ユーゴのボスニア、セルビア、コソボ、スロベニア、遠征先のモルドバ、グルジア(ジョージア)、バルト3国、ウクライナ、ギリシャ、フィンランド、さらには島国アイスランドやキプロスに及ぶ。多くの国が主要な民族の他に少数民族を抱え、激しい民族紛争を引き起こしている。中でも凄惨な殺し合いや「民族浄化」が起きた旧ユーゴでの内戦のきっかけになったとさえ言われた1990年5月のBBBの暴動事件の顛末から話が始まる。スター選手ボバンが制止するセルビア人警官を蹴り倒した真相を、当時の映像や証言から分析し、警官が実はムスリムだったことやボバンの行動が決して英雄的ではなかったことなどを浮かび上がらせている。
著者も一メンバーだったBBBのモルドバ遠征ツアーの一部始終も興味深い。目的地はモルドバ共和国にある「国家内国家」、「沿ドニエストル共和国」。後ろ盾であるロシアからも承認されていない未承認国家ながら、UEFA視察団が最高級の評価を下す豪華なスタジアムがある。BBBの面々は国境を越えていくバスの中でひたすらビールを飲み続け、町へ出れば大暴れ、試合の観戦は終始ケンカ腰で、試合結果に不満があればピッチになだれ込んで乱闘する。若者たちの鬱屈の背後にあるのは、大国の思惑で国が分断され、民族同士が排除し合い、差別し合い、憎しみ合う救いのない政治の現実である。モルドバ人やグルジア人と入植してきたロシア人の対立、バルト3国の自立と旧ソ連(ロシア)との軋轢、同じことはキプロスのトルコ系とギリシャ系の間にもある。クロアチアと似通った歴史と立場を持つこれら地域に著者の理解は深く、手際よく経緯と現状を解説する。
サッカーはこうした対立感情のはけ口になっているのだが、同じゴール裏で敵味方が入り乱れて応援するポーランドの例のように、サッカーを介して両者の相互理解を進める可能性もほんの少しは感じられる。
その表れといえるのが、トップ選手は国を越えて、さまざまなチームに移籍して活躍するのが当たり前になって来たことである。旧ユーゴ圏の選手は、外に出るとセルビア人、クロアチア人、ボスニア人などなど仲良く付き合い、深い親交を結ぶ例が多い。日本人選手もバルト三国で活躍している。
選手の交流が民族同士の交流に結び付き、政治に振り回されない、スポーツ独自の価値の定着という明日を著者は夢見ているのだろう。
著者は、サポーター軍団の一員として、または取材証を得ての取材や撮影として、これらの地域やそこでのサッカーをみてきた。たぶん日本人ジャーナリストとして初めて取材した対象も多く紹介されているであろうし、政治や歴史の紹介はとても手際がよく、飽きさせずに読ませる。政治とスポーツのナマな関わりを競技場の喧騒と白熱の試合の展開から浮かび上がらせている点、日本ではあまり知られていない東欧諸国の実情をいきいきと描いている点で、出色のルポである。
ただ、いっぽうで、本書は「クロニクル(年代記)」として仕上がってはいない。収録された21篇は、古くは2002年、最近では2015年に発表された著作であり、サッカー専門誌やインターネットサイトなどに掲載されたものであるが、各レポートが時系列に沿って並べられてはいない。東欧社会は、その流動性ゆえに定点から通時的にクロニクルをまとめるにはあまりにも複雑すぎるのだろう。最後の1章をあてて、各章で取り上げた国や地域の現状をまとめているが、どこも元々複雑な内情なのでわかりやすいとはいえない。
また、非常に短く、中途半端に終っている章がいくつかある点も、単行本としては弱点である。ジャーナリスト的なレポート、一サッカーファンとしての観戦レポート、旅行者目線での紀行文と、著者のスタンスが一定でないのは飽きさせない反面、乱雑な印象がある。さらに、番外編として北欧諸国やキプロスなどを「東欧」を題する著作にひっくるめてしまうのも無理があるだろう。
モルドバ遠征の写真が一枚もないのは残念だが、口絵と本文にいい写真が豊富なのは楽しい。
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主催:公益財団法人 ミズノスポーツ振興財団
選考:ミズノ スポーツライター賞選考委員会 [主旨] スポーツが巨大なメディアそのもとなった今日、世界の国々、地域、民族が分け隔てなく、共通のルールで価値を創造し共有できる文化は、スポーツをおいて他に見当たりません。 バンクーバー冬季オリンピック大会、サッカーW杯南アフリカ大会、いずれの舞台でも、肉体のもつ能力の可能性が未来に向かって切り拓かれました。世界の人々の魂を揺さぶる人間的なドラマも現出しました。スポーツはどんな状況にあっても、子どもたち、若者たちが夢をふくらませ、それを叶えられるフィールドとして価値ある存在であることがあらためて確認されたと言えるでしょう。
スポーツをテーマに「書く」ということは、スポーツの世界で繰り広げられる多種多様な事象を、読む人の心にいきいきと甦らせることのできる高度の娯楽性を基盤に置きつつ、客観的な報道性(記録性)と時流に迎合しない批評性を併せ持った文章によって、人々にスポーツの真価を伝えることです。それはスポーツの文化性をより高めるために必須の営みだと言えます。
今年度で21回目を数える「ミズノスポーツライター賞」は、「スポーツの世界を文字で描き伝える」スポーツライターの業績を顕彰するわが国唯一の賞として、その価値と使命がいよいよ大きなものとなってきています。本年も21世紀のスポーツ界とスポーツ文化のさらなる発展に寄与することを目的として、スポーツ報道とスポーツ・ノンフィクションに関する優秀な作品を広く公募いたします。
[対象領域]
【2018年1月1日~12月31日】に発行・出版・発表されたもので、主として新聞・雑誌・単行本等に掲載された個人もしくはグループで書かれたスポーツ報道、スポーツ評論、スポーツノンフィクション、など。ただし、インターネット上のウエブサイトなどで発表されたもの、社内報や広報誌等一般に販売されていないもの、一般の者が入手不可能な機関誌的なもの、翻訳書や専門学術書・誌、研究紀要等に掲載されたいわゆる学術論文はこの対象からは除く。
[表彰内容]
★最優秀作品 1本 (トロフィー / 賞金100万円) ☆優秀作品 2本 (トロフィー / 賞金 50万円)
[選考委員]
委員長 | 河野 通和 | (株)ほぼ日「ほぼ日の学校長」、『中央公論』『婦人公論』『考える人』元編集長 |
委 員 | 上治 丈太郎 | (公財)東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 参与 |
| 杉山 茂 | スポーツプロデューサー/元NHKスポーツ報道センター長 |
| ヨーコ ゼッタ-ランド | スポーツキャスター |
| 高橋 三千綱 | 芥川賞作家 |
| 水野 英人 | (公財)ミズノスポーツ振興財団副会長 |
※敬称略・順不動
[ 応募要領 ]
作品の主旨および筆者名(担当記者)あるいは担当班とそのメンバー名、連絡先を記載の上、新聞・雑誌は作品のコピー3セット(A4サイズ/必要に応じて他サイズも可)、書籍は3冊を同封の上、お送り下さい。応募に際しご不明な点がございましたら選考事務局までお問合せ下さい。
●締め切り(消印有効):2019年1月7日(月)必着
●発表 :2019年3月6日(水)
●表彰式 :2019年4月23日(火)グランドプリンスホテル新高輪
【お問い合せ先】
「ミズノ スポーツライター賞」選考事務局
〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-16-15 代々木フラット401 スポーツデザイン研究所内
TEL:03(3377)4858 / FAX:03(3377)5028
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