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vol.404-1(2008年6月2日発行)
葉山 洋 /マーケティング・コンサルタント

2016年オリンピックの行方

 オリンピック候補都市の優劣が次第に明らかになってきた。半年前にIOCに対し立候補の意思を届け出たのは7都市。東京以外は、バクー(アゼルバイジャン)、シカゴ(アメリカ)、ドーハ(カタール)、マドリード(スペイン)、プラハ(チェコ)、リオデジャネイロ(ブラジル)である(都市名のアルファベット順に記載)。

 IOCは6月4日にアテネで会議を開催し、候補都市の絞込み(ショートリスト)を行うことにしているが、何都市に絞られるのかで少なからず影響が出そうだ。常識的には4都市だが、3都市に絞られるのではないか、という噂も聞こえてきている。

 まず「落選」が確実視されているのはバクーとプラハである。アピールに欠け、実際PR力も弱い。中東のドーハは2006年アジア大会の成功を強調し、豊富な資金力と「アラブ初」を主張するが、気候の問題など克服しがたい弱点が指摘されている。

 残るはシカゴ、マドリード、リオデジャネイロ、そして東京だ。マドリードとリオデジャネイロは2012年大会に続いての招致である。9都市が名乗りを上げた2012年は結局ロンドンに落ち着いたが、本質はヨーロッパ都市同士の闘いであった。マドリードは僅差でパリ、ロンドンに遅れをとったのである。

 一方リオデジャネイロは、前回のショートリスト5都市には残ることが出来なかった。しかし貴重な「レッスン」で学んだことは確かだ。昨年のパンアメリカン・ゲームズの成功と、発展著しいBRICs諸国の一角というのも強力なセールスポイントである。

 組織、運営、市場性、市民のサポートといった評価軸で総合的にリードするのはシカゴと東京だとされる。下馬評を信じるならば、4都市であればシカゴ、東京、マドリード、リオデジャネイロ。もし3都市になれば...落ちるのはマドリードだろうか。なんと言ってもヨーロッパでの連続開催は考えにくいからだ。

 6月以降いよいよ本格的招致キャンペーンに突入することになるが、都心でのコンパクトな開催を掲げる東京に対し、世界はどんな評価を下すだろうか。アメリカ、日本という安心感。一方市場のポテンシャル高さ、そして過去オリンピック開催実績のない南米随一の大国であるブラジル。センチメント(市場心理)としてはリオデジャネイロ有利という気がしなくもない。最終投票は来年の10月、コペンハーゲンでのIOC総会で行われる。

最新ビッド・インデックス
シカゴ       60.73
東京        60.66
リオデジャネイロ  59.90
マドリード     59.50
ドーハ       53.46
プラハ       37.17
バクー       36.43
GamesBids.com 5月28日発表)

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