3月5日、Jリーグは開幕した。中国アジア大会の金メダル、アジア・カップ優勝の背景を受けて、開幕戦は明るいはずだったが、ファンは予想外に集まらなかった。開幕第1週の観客動員数は16万3449人。現行の1週9試合制度になってからのワースト記録である。
開幕戦は、その年の人気を図るバロメーターで、この出足でそのシーズンの勢いは図れる。今季は動員大手の浦和(埼玉)と新潟がホームで開幕せず、アウェー試合だったこともあるが、それにしても、開幕週で16万人台は、2003年の16万6063人以来の不入りで、この年は8試合だったから、かつてない人気のなさではないか。
かつての王者、鹿島、浦和に迫力がなく、大手の横浜マリノスも、主力選手の放出で果たしてファンが戻るか心配だ。この3クラブは第2週にホーム開催になるが、満員にするほどの魅力は減っている、と心配される。
第1週で合計20万人以上を動員した年は、2004年(20万1846人、8試合)、2005年(22万5453人)、2007年(21万3303人)、2008年(22万3647人)の4回あるが、2009年からは一度も20万人の大台を超えていない。
今は、若手のスターが相次いで欧州へ移籍。国内にはお金を払っても見たい選手が減っているのも大きい。
ファンを呼べる魅力あるスターが出て来ない限り、今の厳しい経済事情では「テレビでも見て我慢しておくか」という人も増えるに違いない。
Jリーグを支えるスポンサー料も今年度は4億100万円の収入減。事業活動収入は6億8200万円も減り、各クラブへの配分金も2億2800万円の減少。これでは規模の小さいクラブは、さらに経営難に陥るのは目に見えている。
昔から「日本代表は応援するが、Jリーグは行かない」というサッカー・ファンがいたが、この第1週でさらに増えた傾向にあることが、はっきり分かってきた。前売りをみても、J1、2とも、どこもあまり売れていない。各クラブがどんな知恵を出して新たなファン・サービスを進めるか、注目している。
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