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vol.242-2(2005年 3月18日発行)
杉山 茂/スポーツプロデューサー


日本体育協会「国民スポーツの統一組織」打ち出す



葉山 洋/マーケティング・コンサルタント
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日本体育協会「国民スポーツの統一組織」打ち出す
杉山 茂/スポーツプロデューサー)

 日本体育協会は3月22日の評議員会で、寄付行為(規約)から「アマチュア」の語句を総て削除、多くを「スポーツ」と言い換える。

 「アマチュア精神」は「スポーツ精神」に、英文略称JASAの最初のAはアマチュアを指すのではなく、JAPANの略だとする。

 興味深いのは、日本体育協会は国内アマチュアスポーツの統一組織と謳っていた箇所を「国民スポーツの統一組織・・・」に改める点だ。

 これは、単に表現の“変更”だけではすまぬ重みがある。

 日本のスポーツ構造は、いわば散乱状態で、しかも、それぞれのテリトリーを自我が取り囲む。

 活動が、順風に乗っているのなら、まだいい。

 現実は、総ての分野で、新しい視点と新しい力が求められ、「スポーツの自立」が探られている。

 その機に、日本体育協会は、自らの目的を「国民スポーツの統一組織」と打ち出したのである。

 深刻な局面、とは言わないまでも「国民のためのスポーツ」へ成熟するには、課題は山積みで、なによりも、共通の認識の上に立ってスポーツを振興させようとする体制の整備は、待ったなしだ。『スポーツ界の構造改革』は望まれつづけながら、日本体育協会もリーダーシップをてらず、腰を重くして過ごした。

 障害者スポーツ系、プロスポーツ系、レクリエーション系、オリンピックムーブメント系、市民スポーツ系、スポーツ産業系・・・。これらの“世界”を一堂に集め得るパワーは、日本体育協会のみが備えているのではないか。

 今回の改定は、その意気ごみを秘めたものとの期待がかかる。

 日本体育協会が、競技別のスポーツ団体や都道府県組織を束ねるだけの時代は「アマチュア」の字句との訣別と同じスピードで幕をおろすべきであった。ともに遅れた。

 日本体育協会の傘のもとに、各組織が収まるなど、暴論に近いとみる人も少なくないが、これまでのような流れがつづいていては、例えば、スポーツの法制度ひとつ改善の糸口を見つけ出せない。

 スポーツ界のリーダーたちの感覚と行動が脱アマチュアとなるテンポも、この際早まって欲しい―。


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