スポーツデザイン研究所
topページへ
topページへ
講演情報へ
オリジナルコラムへ
SPORTS ADVANTAGE
   「批評性」「評論性」「文化性」の視点からスポーツの核心に迫る
最新GALLARY
第12回Vリーグ女子 東レ・アローズ×シーガルズ 大山加奈


(C)photo kishimoto

第12回
Vリーグ女子
東レ・アローズ×
シーガルズ
大山加奈(東レ)

SPORTS IMPACT
  オリジナルGALLERY
(C)photo kishimoto
vol.270-1(2005年 9月28日発行)
杉山 茂/スポーツプロデューサー

テレビ編成重視で観客遠のく?

〜イングランド・プレミアリーグ〜

岡崎 満義/ジャーナリスト
  〜JGTOの社団法人化の先に〜
筆者プロフィール
バックナンバーリスト
SPORTS ADVANTAGE
無料購読お申し込み
オリジナルコラムを中心に当サイトの更新情報、スポーツ関連講座やシンポジウム開催情報などを無料配信しています。今すぐご登録下さい。
申し込みはこちらから
ホームよりエントリー
メール配信先の変更
(登録アドレスを明記)
ご意見・ご要望
エントリーは下記リンクより、氏名配信先アドレス男女都道府県別年齢所属を記入の上メールして下さい
テレビ編成重視で観客遠のく?
〜イングランド・プレミアリーグ〜
杉山 茂/スポーツプロデューサー)

 各クラブまだ10戦にも及ばぬ序盤段階だがイングランド・プレミアリーグ(20クラブ)が、興行的にいつになく動きの鈍さを露わし、マスコミなどから批判されている。

 具体的には、昨シーズンの同試合数と比べて9クラブが、観客数を落とした、というのだ。10パーセント減のクラブもある。

 その一因に、テレビ中継の増加と番組優先策がある、と活字メディアは騒ぐ。

 かつては、土曜の午後に、ほぼ全カードが一斉にキックオフされていたが、より多くのカードを提供したいとするテレビ局の意向で、その試合間がずらされた。

 そのうちに、土曜、日曜に“分散”され、最近は月曜にも組まれる。これだけサービスされれば、ゆったり自宅で、となるフアンが多くなるというわけだ。

 Jリーグも、高額な(ヨーロッパとは比べものにならないが・・)放送権料の“対価”として、放送局側の要望で、一部のカードを日曜に移している。

 スタジアムへ足を運ぶ人の数に、どのような影響を与えたのか。批判があまりないところをみると、さほどの変化はなかったものとも思えるが、もともと観客も視聴率も飛び抜けた数字をはじき出していたわけではない。

 イングランドのフアンが顔をしかめ、腹を立てる各クラブの試合数不揃いによる「暫定順位」のわずらわしさも、日本では、ベースボールでの慣れが手伝うのか、苦情は少ないようだ。

 プレミアリーグへの攻撃は、協会やクラブの営利主義に向けられるのが“定番”になってきている。

 フアン、サポーターを放り出し、まずテレビマネー、そしてスポンサーマネー。それでスタジアムが快適となり、ゲート(入場料)が安くおさえられるのならまだしも、むしろ値上がりの傾向にある。最高クラスの席は、邦貨で1万円を越すケースが多くなったのだ。

 「それならテレビのほうがいい」。スタジアムの風にあたり、“現場”の雰囲気を至上としたさしものイングランドのフアンも、有料契約のテレビの前を、重宝がるようになってしまった、ということのようである。

 ある面これは、テレビ局にしめたと思わせるものだし、クラブは、放送権料値上げの材料にできる。

 このような風潮が、スポーツのためによいのかどうか。答えはノーに決まっているのだが、関係者は、現状を安住と心得てか、改善の手を打たない。

 賢明なフアンが、スタジアムへ向かわなくなった怖しさに気づかぬと、いずれはとんでもないことになる。

 「プレミアリーグ」を、日本のプロ野球団や諸々のスポーツビジネスに置き換えて考えるのも、大いに意味がある―。


Copyright (C) Sports Design Institute All Right Reserved
本サイトに掲載の記事・写真・イラストレーションの無断転載を禁じます。 →ご利用条件