アメリカン・リーグ東地区のレッドソックスが順調に首位を走っている。 メジャー第2週終了時点で、カート・シリング、マーリンズから獲得したジュシュ・ベケットの両輪が、ともに先発3勝0敗、新人クローザーのジョナサン・パペルボンが6セーブ成功。攻守ともスキがない理想の展開。 見逃せないのは、内野守備陣の整備。
三塁にゴールドグラブ賞のマイク・ローウェル(マーリンズ)遊撃にA・ゴンザレス(デビルレイズ)二塁にマーク・ロレッタ(パドレス)一塁にJ・T・スノー(ジャイアンツ)と、4人を一新してしまう大改造。 オフはGM、テオ・エプスタインが辞任。しばしチーム作りの責任者が空白となるピンチだったが、テオは2ヶ月の冷却期間を置いて復帰。新構想をまとめた。この間、2人の代理GMがテオの意向も汲み、密接な連絡を取りながら、狙い通りのチームに仕上げた。 昨年のレッドソックスは、打率・281、得点910といずれもリーグ首位。だが、失点805はリーグ11位。109個もエラーした守備はリーグ10位。これでは、いくら得点しても効率が上がらない。今度は、いずれも守備には定評のある選手ばかり。特に、守備範囲の広さが投手陣を助けている。 1番のジョニー・デーモンはヤンキースへ去ったが、インディアンスから「センターの適任者」と見込んだクリスプがアナを埋めた。 空白の間、テオはじっくり考え、「攻撃にばかり頼るのでは勝てない。攻守そろう形へ」と、決断した。今度は、ファンも選手も「テオ、戻ってくれ」と、熱望。首脳陣も全面支持の態勢。存分に腕をふるえるようになった。この攻守が続くかぎり、レッドソックスの堅実な進み方は停まらないだろう。 |