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第20回オリンピック冬季競技大会(2006トリノ・オリンピック)女子ショートプログラム 荒川静香


(C)photo kishimoto


第20回オリンピック
冬季競技大会
(2006トリノ・オリンピック)
女子ショートプログラム
荒川静香

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vol.290-1(2006年 2月22日発行)
岡崎 満義/ジャーナリスト

トリノ・オリンピック雑感

杉山 茂/スポーツプロデューサー
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トリノ・オリンピック雑感
岡崎 満義/ジャーナリスト)

 トリノ五輪の日本勢は20日まで、メダルなしの超低空飛行で期待はずれだったが、それでもテレビ中継はよく見た。見ればやっぱり面白くて、ついつい夜ふかししてしまう。ぼんやり見ていて感じたのは、スキーであれスケートであれ、メダルをとるほどの選手には共通して、体の線になんともいえない勢いがあることだ。種目によってみんな動作は違うのだが、体がムチのように撓(しな)う感じだ。つよいと言っても、剛ではなく、勁のつよさだと思った。このしなやかさを身につけるために、日々フルタイムで練習しているのだ。剛の体をつくるより、勁や柔の体をつくるのは至難の技だろう。

 トリノ大会から採用された新種目スノーボードクロスやスケートのパシュートが、意外に面白かった。とくに雪上のF1といわれるクロスは、4人の同時スタートで格闘技的な匂いもあって、勝敗がはっきり分かりやすく、今後の人気種目になりそうだ。テレビうつりのいい種目が、ますます盛んになってくる。

 読売新聞夕刊2月18日付の小コラムで、ちょっと興味深いロイター電が紹介されていた。「アルペンもっとセクシーに―堅苦しさ、若者が敬遠?」と見出しがついた短い記事は、アルペンの若手選手たちが、フリースタイルに人気を奪われたと現状を愁え、強い危機感をもっていることを紹介している。

 「『若者はアルペンを古くさいと感じ、フリースタイルの方が面白いと思っている』とドイツ女子滑降代表のペトラ・ハルトマイヤー。『スノーボードのハーフパイプを見たけれど、まるで別世界。ノリのいい音楽が流れ、常に動きがある。アルペンももっとにぎやかにやればいい』と語る。・・・オーストリアの男子アルペン代表ライナー・シェーンフェルダーは『お偉いさんは今の流行なんて分かってないんだ』と嘆く。ちりちりの長髪と黒いマニキュアで知られるワールドカップ複合王者は『競技自体は素晴らしいんだから、見せ方をもっと工夫しないと。専門家が必要だ』と提言している」

 どうやら、これからのオリンピックは「セクシー」がキーワードになりそうだ。選手は強いだけではダメ、競技スタイルもふくめて、セクシーでなければ人気がでない、という時代が来たのかもしれない。ヘルメット、大きなゴーグルなどで顔、表情が見にくい冬季競技だけに、いかにセクシーな競技スタイルをつくりだすかが、競技の発展、人気につながる大きな要素になるのかもしれない。スポーツの見せ方をきそう時代になった。

 これがスポーツなのか、と思いながら、カーリングが面白かった。巨大なおはじき競技で、スピードを競う競技の中で、何ともいえないスロースタイルの違和感がかえって新鮮だった。こんなにテレビ向きの競技もないと思える。ストーンが止まるハウス(円)の真上にカメラがあって、真剣なおはじきぶりが手にとるように分かる。クローズアップで選手の表情がよく見える。声も聞こえる。どこにストーンを止め、どのストーンをはじくか、見慣れてくると、見る方も作戦を立てられる一種の知的遊戯として面白い。遊戯といったら叱られそうだが、ふしぎな魅力のあるスポーツだ。


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