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vol.397-1(2008年4月16日発行)

岡崎 満義 /ジャーナリスト
女子ソフトの新ユニホーム

 女子ソフトボール日本代表チームの北京五輪用のユニホームが決まった、と14日夜のNHKスポーツニュースで報じられた。胸のJAPANの文字の中央部Pのあたりに、ひろがる宇宙をイメージしたイラストが入り、ノースリーブで軽やかな感じのユニホームに見える。

 ユニホーム製作の中心になったのは、日本代表マネージャー・塚原弘珠さんという、若い女性のようだ。彼女は選手1人1人からユニホームについての意見・注文を丹念に聞き取り、試作品をつくって着てもらっては、またその着心地、機能性について感想を求め、さらに手直しして次のユニホームをつくる、という手間ひまかけたユニホーム作りをしたようだ。これまで、こんなふうに選手の声を細大もらさず聞いて、ユニホームを作る、といったことはあったであろうか。だいたいは、有名デザイナーかウェアメーカーに“丸投げ”して作っていたのではないか。選手の気持を尊重した、好感のもてるユニホーム作り、といえるだろう。これで念願の金メダルがとれたら、選手たちと塚原さんは万々歳だろう。

 その昔、日本女子バレーボールが強かった頃、セッターの中田久美さんの現役時代、日立チームが新しいユニホームを着たことがあった。上半身は旧来のものとかわりないが、パンツが変わった。それまでの短パンから、長い足首までのぴったりパンツ。ちょうど古典バレエの男性がはくような下半身にぴったりフィットしたものだった。ところが、選手たちは体の線があらわに見えてしまって恥ずかしい、とアッという間にこの新ユニホームは姿を消してしまった。今の選手ならどんな反応があるだろうか。

 女子スポーツ選手にとって、ユニホームは機能性だけでなく、ファッション性も気になるところだろう。

 オグシオで人気沸騰の女子バドミントンは、初期の頃は超ミニスカートだった、ところが週刊誌のカメラマンがさかんにローアングルで撮影しはじめたため、キュロットに変わってしまった。

 陸上競技でヘソ出しルックが現れたのはいつ頃からだろうか。外国の女子選手が始めて、しばらくしてから日本選手も右へならえしたように思う。女子プロゴルファーのヘソ出しルックは、宮里藍選手あたりから当たり前のファッションになってきた。もっとも、同じプロでも男子のヘソ出しルックは、ゴルフマナーに反するとして御法度になっている。石川遼選手がプロになる前、迷彩服のような柄のポロシャツでプレーして、日本ゴルフツアー機構で問題になったことがある。紳士のスポーツであるゴルフにふさわしくない服装、というわけだ。

 ユニホーム以外にアクセサリーを身につける女子選手(この頃は男子選手も同様だが)もふえてきた。神戸のユニバーシアード大会だったと思うが、女子マラソンの深尾真美選手がピアスをつけて走ったのを見て、アッと思ったことを覚えている。その後、1988年のソウルオリンピックで、女子短距離の故フローレンス・ジョイナー選手が、スタートラインについたとき、赤くマニキュアをした長い爪がクローズアップされたことがあった。スポーツとファッションの関係は、これからもより華やかに変わっていくのだろう。テレビがそれを要求する。ビーチバレーなど、ユニホームがビキニ風水着だから、テレビの申し子のようなスポーツだ。人気のでかかったカーリングなども、ユニホームのファッション性はさらに高まってくるような気がする。日本の金メダル第1号・三段跳の織田幹雄さんから聞いた話。「私たちの頃はテレビがなかったから、オリンピックに行って外国の流行ファッションを見て、それを持ち帰るのが楽しみのひとつでした。自分が流行の最先端をいっている、と誇らかな気分になったものです」スポーツ選手はスタイルはいいのだから、新しいファッションもよく似合っただろう。

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