石川遼(18歳)選手が今季ツアーで四勝目を挙げた。十五歳の高校一年の時にプロの試合に出て初優勝した試合を含めると、プロのツアーで通算七勝である。
おそらく今年はあと二勝以上するのだろう。今季だけで六から七勝の計算になる。予想できるのは、帰国の第一戦日本オープンと、三井ビザ太平洋マスターズ、そしてアメリカなどの世界のトッププロが参戦するダンロップフェニックスといったメジャー戦である。
昨年の日本オープンは、三日目初顔合わせ選手のプレッシャーを受けて充分なラウンドにならなかった。これまでのデータでも判るように、年少のプロ石川遼は、三日目に崩れている。
原因は予選を突破した安堵感でひと息ついた所に、まったく顔合したことのない同スコアの先輩プロと同組になり、威嚇を感じたためである。これは年少プロの宿命で、誰もが先輩プロからの洗礼を受けて育ってきた。
事実、古賀GCでの日本オープン三日目のスタートホールではパー4のところをやっと4オンするというアクシデントに見舞われた。あの三日目のスタートホールのミスさえなければ、遼君は優勝していた。結果は二位だったが、実は昨年の日本オープンで二位に入ったことで、日本の全選手が、石川遼の存在を認めている。単なるフロックではない、実力があると評価し出した。
そのあとのマイナビABCチャンピョンでは大逆転して、プロ転向初優勝を飾った。
ダンロップフェニックスでは、最終日15番ホールの第二打をミスし、パーパットをはずしたことで逆転優勝を逃したが、力ではプラヤド・マークセンに勝っていた。だから、とは言わないが、今年のダンロップフェニックスでは、優勝しそうな気がする。すでに昨年の石川遼ではない。角界でいえば横綱級に大きく成長している。
ドライバーの飛距離は平均して325ヤードだ。本人はタイガー・ウッズと同じ350ヤードまで伸ばしたいと言っている。そのため、トーナメント先のホテルでは、毎日筋トレにはげみ、朝はストレッチにはげむなど、体力強化は日常生活になっている。
彼のゴルフは「目標優勝」ではない。ミドルホールをワンオン、ロングホールは2オンさせて、少なくとも一日5バーディー以上のスコアを出すことにある。結果として優勝しているわけで、「敵は18ホール」で、優勝を争う選手ではないということである。この調子なら十八歳の未成年プロの賞金王は間違いない。
それにしても、他のプロたちは、何を考えているのかと言いたい。
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