スポーツネットワーク
topページへ
スポーツバンクへ
オリジナルコラムへ

vol.444-1(2009年4月14日発行)

岡崎 満義 /ジャーナリスト
アニキ金本選手の大爆発を見て

 ペナントレースの開幕とともに、40歳を超える選手の活躍が目につく。阪神の金本選手の1試合3ホームラン、打率5割を超す大爆発に目を見張るが、ヤクルトの木田投手も、日米6球団を渡り歩いたあと、みごとに復活して先発1勝をあげた。世の中「アラフォー」時代といわれるが、その波はプロ野球にも及んできた。投手では横浜の工藤投手、野手では金本選手が先頭に立って、40代の選手の活躍の幅をひろげているように見える。

 トレーニングが科学的合理的になったこと、スポーツ医学も大いに進歩して、少々の怪我や故障は問題なくクリアできるようになったこと、家庭ぐるみの体調・栄養管理も行き届いてきたこと・・・など、理由はいくつもあるだろう。いずれにしても選手の寿命が伸びるのは、喜ばしいことである。

 4月13日付の朝日新聞に、「団塊夫婦調査」がでていた。これは博報堂エルダービジネス推進室がこの3月、全国の58〜62歳の520人を対象に、インターネットで行なった調査だ。

 「団塊世代の妻の多くが『結婚当初に比べてがっかりさせられた経験』を持ち、夫に謝ってほしいと思っている」

 「『がっかりさせられた経験』を持つ女性が79%いたのに対し、男性は61%。『相手に謝ってほしいと思う』人は妻が27%、夫は8%だった。自由回答では、夫に『家事を積極的に手伝ってほしい』『いたわってほしい』などの思いが読み取れた」という。

 夫にがっかりした妻が8割もいたとは!しかし、団塊の世代は殆どが家庭をほったらかしにした仕事人間だから、この数字はうなづける。今の40代から見れば、古いライフスタイルの旧世代、旧人類といえるだろう。

 ここからは私の想像だが、40代以降の世代には、夫婦協調型、あるいは夫の自立型がふえているのではないか。女子柔道の谷亮子選手と巨人の谷選手の子育てをこなしながらの立派な現役続行ぶり、女子マラソンの弘山、土佐、赤羽選手などの婦唱夫随?というより夫婦協調型ライフスタイルを見ていると、それ以前の団塊の世代とは明らかに違ってきているのが分かる。

 世の中全体が高齢化、平均寿命も女性は86歳、男性は79歳と世界一になって、スポーツ選手も相対的に現役時代が伸びてきた、という大きな社会的な流れも背景にはあるだろう。しかし、男も自立しなければならない、女性と協調していかなければならない、という意識が、付け焼き刃でなく身についてきたことが、現役寿命を伸ばすことにつながっているのではないか、というのが、私の想像である。遠征が多いプロ野球選手に、人1倍の「内助の功」があるのはまちがいないだろうが、これまでのようなベッタリ一方的な内助ではなくなっているのではないか。自立と協調を抵抗なく受入れるやわらかさを、選手が持ちはじめたのではないか。それが40歳を超えても、なお若い選手に負けない活躍のできるカギなのではないか、と思う。

筆者プロフィール
岡崎氏バックナンバー
SAバックナンバーリスト
ページトップへ
          
無料購読お申し込み

advantage
adavan登録はこちら
メール配信先の変更
(登録アドレスを明記)
ご意見・ご要望

Copyright (C) 2004 Sports Design Institute All Right Reserved
本サイトに掲載の記事・写真・イラストレーションの無断転載を禁じます。  →ご利用条件