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嘉納治五郎杯国際柔道大会 2006 男子/+100Kg決勝 高井洋平 対 高橋宏明

(C)photo kishimoto

嘉納治五郎杯
国際柔道大会 2006
男子/+100Kg決勝
高井洋平 対
高橋宏明

 

SPORTS IMPACT
  オリジナルGALLERY
(C)photo kishimoto
vol.285-1(2006年 1月18日発行)
松原 明/東京中日スポーツ報道部

「殿堂入りの明暗」

杉山 茂/スポーツプロデューサー
  〜キックオフに優る開会式なし〜
岡崎 満義/ジャーナリスト
  〜「ミステリアスな選手でありたい」〜
岡 邦行/ルポライター
  〜“スポーツを楽しむ”という言葉にかくされた意味〜
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「殿堂入りの明暗」
松原 明/東京中日スポーツ報道部)

 日米野球殿堂入り表彰者が、ともに、1月10日、発表された。

 日本は中日の高木守道二塁手、南海の門田博光外野手、阪急の山田久志投手。特別表彰の川島廣守・元コミッショナー、西鉄・豊田泰光遊撃手の5人。

 アメリカは、救援専門投手では初めてのブルース・スーター投手1人。

 日米とも、投票受賞は75%以上の得票、の規定があるため、惜しくも選に漏れた人も少なくない。

 受賞者は、それぞれ、文句のない成績を残しているが、「何故、あの人が得票できないのか?」という疑問も沸いてくる。

日本では、阪急の左腕・梶本隆夫投手。アメリカでは歴代最多セーブを残しているリー・スミス投手。

 梶本は岐阜県・多治見工の出身。高校から阪急入りすると、すぐ20勝。
1956年には28勝、20勝以上4回。当時、弱かった阪急を、米田投手と2人で支えてきた左腕。通算254勝は金田投手に次ぐ左腕、という輝かしい大記録を残している。だが、今年は206票で惜しくも次点。あと12票足りなかった。

 すでに、殿堂入りしている、金田、稲尾の両投手、吉田遊撃手、上田監督の各氏は「何でカジが入らないんだろう」と、キャンペーンをやろう、とする動きまである。

 殿堂選考委員は、野球記者15年以上の経験者、とされており、今季は298記者が投票した。しかし、新聞社を定年で辞めてしまうと、投票資格がなくなる。年々、投票者の年齢が若くなり、梶本らの活躍時代の印象が消えてゆく傾向があるのは確かだ。私は、定年後もまだ現役活動を続けているため、投票資格があるが、昔を知る記者はどんどん少なくなっている。

 アメリカもスーターは、13年目でやっと宿願を果たした。歴代では2番目に遅い当選。「毎年、今年も駄目か、と、諦めていたが、天は私を見捨てなかった」と、スーターは泣いた、という。

 18年間、通算478セーブで、今後も更新不可能、と思える記録を残しているスミスは5回目のトライで、また選外だった。スーターは300セーブで、スミスははるかに上を行く、のに不思議に報われない。

 梶本は候補者で最年長の70歳。昨年は体調を崩して心配された時期もあった。殿堂入りは生きていてこそ、喜びも倍加する。

 2年前、殿堂入りした仰木彬氏は、ついに病に倒れ、帰らぬ人になった。同じ年に殿堂入りした秋山登投手は、すでに故人だった。投票方法の改善は難しい。来年も梶本が元気なことを祈りながら、私は1票を投じたい。


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