日本の女子プロゴルフ界で昨シーズン賞金女王の不動裕理にわずかに及ばなかったとはいえ、宮里藍はティーンエージャー初の一億円プレイヤーに輝いた。今期も南アフリカのザ・リンクス・ファンコートホテル&CCで行われた女子ゴルフW杯で北田瑠衣と組んで優勝するなど華々しいスタートを見せたが、ミッションヒルズCC(米カリフォルニア州ランチョミラージュ)で行われた女子ゴルフのメジャー初戦では、「よい経験になった」と本人は言うが、苦い経験をしたに違いない。 彼女は既に海外でプレイして行くことを考えており「日本国内のプレイはその通過点である」と、日本外国特派員協会の昼食会に招かれた際(3月30日)、外国メディア記者との質疑応答できっぱりと言った。普段は19歳とは思えない堂々とした感もある彼女だが、さすがに大勢のプレス、カメラマン、ゲストの前では両手を組みながら指をよく動かす仕草をし、多少緊張した様子を見せてもいた。しかし、質問に対する受け答えは単純に答えるだけに止まらず、巧く話を膨らませたり、時には冗談を交え、頭の回転の良さを充分に発揮していたのに、驚かされた。 アメリカの記者から“日本人は国内ではよいプレイをしていながら、外国へ行くと何故勝てないのか”との質問に、「言葉の問題は大きな理由だろう」と。やはりコミュニケーションがとれないで、一人ぽつんとしているようではだめで、「自分の居場所を持つことが非常に大事だ」と言った。「自分は英語も好きだし、友人を作るのも好きなので、自分からなるべく声をかける努力をしている」とのことだ。「丸山さんは英語がしゃべれないのに、彼のキャラクターの良さは多くの人に好感を持たれ、居場所をちゃんと持っている」と、会場を笑わせた。 今期のLPGA初戦の前にアニカ・ソレンスタムに会っていたので、今回再会した際にアニカが「ここに来て、楽しい?」と声をかけてくれたときは、感動して「とても嬉しい」と答えたそうだ。アニカについては、集中力の凄さに驚き「アニカを見ていて、あそこまで人間が出来るということを学んだ。気力と集中力で自分のモチベーションは上がるので、アニカのような集中力を持てるようになる必要がある」と、アニカからは随分と学んだ点が多かったようだ。 ミッションヒルズCCではミッシェル・ウィと同じ組み合わせとなったが、「彼女は男性と同じヘッド・スピードを持ち、思いっきりのよいパワフルなゴルフだ」また「私よりも大人っぽく、スマートなゴルフをする」とも宮里は感じたそうだ。日本の賞金女王の不動裕理に対しては黙々と何時間も練習すること、女王でありながら非常に謙虚であること、またフレンドリーであるなど、尊敬している。「女王である不動さんが練習しているのに、私が先に帰るわけにはゆかない。不動さんより一分でも余計に練習しないといけない」、そのような訳で昨年の好結果は不動さんのお陰でもある、と宮里も謙虚なところを見せていた。 外国のギャラリーはゴルフの難しさをよく理解しているのか、拍手をよくしてくれる、とのことだ。文化の違いもあるのだろうが、日本ではグッド・ショットとは言ってくれるが、「ベタ・ピンにでもつけないと、拍手は起こらない。でも最近は多くのギャラリーの方が観戦してくれ、それがとても励みになる。偶に3歳位の子供が“あいちゃん”なんて声をかけてくれると、嬉しい」と話していた。 「私は人気最高だけど、実力は下」と会場をわかせていたが、藍ちゃんが今後どこまで成長するのか非常に楽しみである。 |