1月8日から3日間、浦安市で開催された「第4回フットボールカンファレンス」は、欧州各国からゲストスピーカーを集めて、内容のある講演が行われた。 このようなぎっしり詰め込んだ講演は、ともすれば単調になりがちで、受講生は、疲れて眠ってしまう。その中で、1時間以上のロング講演を全くよどみなく惹きつけたのは、欧州連盟技術委員長、アンデイ・ロクスベルグ氏だった。 今回は「ユース担当者育成」をメインテーマにした講演で、日本各地から若手指導者約750人が参加した。 日本のユース年代の育成は、まだ、始まったばかり。これら、育成担当者の任務は非常に大きい。 ロクスベルグ氏は、講演の中に8本ものビデオをはさんだ。スターのプレーや表情、少年たちの行動を編集し、バックミュージックに工夫を凝らして飽きさせない。疲れるな、と思うタイミングを捕らえて、ビデオで目を覚まさせてしまう。 講演の中には箇条書きの話しだけでなく、名選手や、歴史上の人物の格言を織り込み「なるほど」と、うなずかせる構成だった。 「私はもう6回目の来日になる。頭に入れて欲しい、内容を、どう飲み込ませるかのコツが分かった。日本のコーチに役に立つように編集してきた」という。 最後には浦安に近いデイズニーランドにちなんで「ウォルト・デイズニーは“夢は追う勇気があれば実現する”と説いた」と、巧みに引用し「サッカーの夢はみなさんの努力で実現しますよ」と、励ました。 この抜群のうまさに、田嶋幸三技術委員長は「毎回、手を変え、品を変えて講演してくれる。本当に見事な説得力です」と、感嘆していた。 演壇に立った日本の各技術委員は、このような鮮やかな演出は出来ず、「なるほど」と思わせる人は少ない。受講者の中から魅力あるリーダーに何人生まれてくるか、何を学んでくれただろうか。 |