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vol.237-1(2005年 2月 9日発行)
松原 明/東京中日スポーツ報道部

「放送マンの殿堂入り」

杉山 茂/スポーツプロデューサー
  〜「冬」が上回ったカナダのオリンピック放送権料〜

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「放送マンの殿堂入り」
松原 明/東京中日スポーツ報道部)

 大リーグのクーパースタウン野球殿堂には放送マンの受賞者を飾る「フォド・C・フリック賞」の部屋がある。

 第3代コミッショナー、フリック氏の名前を付けて、1978年から毎年候補者200人から選考、最も大リーグ放送に功労のあった人物を表彰。すでに28人の方が殿堂入りしている。

 「大リーグの発展にはファンとチームをつなぐ放送の支えなくてありえなかった」とする基本姿勢を現す表彰で、6人の学識経験者、放送界の権威が選考している。

 選手らの殿堂入りと同じ扱いではないが、毎年7月に行われる、クーパースタウンの表彰式には一緒に招かれて、受賞額を受け取る形式は、放送マンには、この上ない名誉に違いない。

 今年1月7日、日本野球殿堂に、初めて放送マンから、志村正順氏が選ばれた。

 特別表彰委員会が14人の選考委員全員一致で決めた。1996年に選ばれた前高校野球連盟会長、牧野直隆氏以来9年ぶりの満票決定だった。

 「声の軽機関銃」「白銀を思わせる美声」と言われた志村さんは、戦後のプロ野球復興に忘れられない存在で、まだ、民放がなかった当時、NHKから聞く歯切れのいいアナウンスは、どれだけ興奮させられたか分からない。

 もう、志村さんは91歳の高齢。「91年間、生きてきた中で、今日が一番うれしい日です」と、はっきり言われたあいさつが印象的だった。

 長年のパイオニアの苦労がついに報いられた実感がにじみ出ていた。本当にお元気なときで良かった。今年度から特別表彰委員に加わった、元NHKアナ、西田善夫氏は「これは放送界全体が受けた賞、と重く受け止めています」と言った。

 ようやく、日本も大リーグに続いて、放送界にも扉を開いたことはうれしい。


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