サッカー国際親善試合、日本代表対アンゴラ代表の試合は、11月16日、国立競技場で行われ、日本が1−0で勝ち、2005年を締めくくった。 「アンゴラなんてたいしたことはない」と、大部分の方は思っただろうが、アフリカから初出場する、彼らの2006年ドイツ大会を見据えた、長期戦略を読まないと、「何故、わざわざ日本へ来たのか」が分からない。 2002年日韓ワールドカップの時期と違って、日本が招待状を出しても「今、東洋へ、遠征に行く意味がない」と、断る国ばかり。 「是非、アフリカ代表と手合わせしたい」ジーコ監督の要望で、日本サッカー協会は、W杯本大会出場を決めたアフリカ5か国へ打診したが、みな断られ、最後にOKしたのが、アンゴラ。彼らは、今年6月のドイツ・コンフェデレーション杯に出場した日本をビデオで注目した、という。 「実際、どのくらいやるのか、実地に対戦した方がプラスになる。本大会で対戦するかもしれないから」と、日本研究のために来日した。 6月、といえば、アンゴラは、まだ代表権を得る、どころではなかった。誰にも無視されていた。 昨年から就任した、アンゴラ・ルイス・ゴンザルベス監督は「アフリカ諸国は、みんな、日本の戦いを注視していた。日本のみなさんは、われわれを知らないようだが、日本のビデオの結果を分析していた。だから、まず、アウェー用の、守り中心の戦いで入り、日本の攻撃力を引き出すつもりだった」と、狙いを明らかにした。 だが、日本に自由に攻めさせても、全くシュートは入らない。「この程度なら、プレッシャーを掛ければ主導権が握れる」と、次第に攻勢に転じ、最後はあわやの攻撃で日本をひやりとさせた。 監督は会見で何度も「日本ありがとう」を連発して帰国した。これは「存分にアジア対策を研究させてもらった」感謝の言葉ではないか。本番になったら、アフリカの底力を見せるゾ、の挑戦でもある。 練習では到着して毎日、2時間もの猛練習。国立の前日練習ではピッチを25bずつに4等分し、その狭いエリアに9人対9人のミニゲームをやりながら、この4ピッチを移動して試合感覚を磨く、独特の練習を見せた。 「アフリカは団結して、2014年大会までにいまの出場ワク5を8に拡大したい考えだ。欧州の14国は多すぎる」と、ドイツ大会は、その第1歩、だとも予言した。
アフリカの野望、恐るべし。4か国も初出場なら、と、侮ると、大変な目に遭う予感をさせた、アンゴラだった。 |