セ・パ両リーグは、本当に、今年を「新時代」の幕開けにすることができるだろうか。 ジャイアンツが、むさぼりつづけた全国区安住の姿勢を急転回させ「東京ジャイアンツ」宣言でもしたのならともかく、結局は、“巨人”の懐(ふところ)に抱かれる状況がつづくのではないか。 パ・リーグ系は、6月16日で終わるセ・リーグ系との交流戦後が勝負だ。 ビッグスターを並べ華(はな)のあるセ・リーグ系に比べて、このシーズンオフも、あまり対抗できる陣容と話題が提供できていない。 新参入した2人のオーナーの威勢のよい話ばかりが先行し、ファンを魅了するようなダイアモンドのトピックは影が薄い。
新球団の羽ばたきも、50年ぶり、とあれば“予想した範囲”である。 パ・リーグ各球団は、交流戦を経営的な打算ではなく、セ・リーグ系の人気を借りて、自チームの魅力を存分に売り、リピーターを誘いこむ策に徹するべきだ。 昨シーズン、ファイターズの選手たちは、札幌における自分たちの知名度の低さに驚いた、という。 同じことが、仙台でのゴールデンイーグルスにも言える。市内での集い(昨年くれ)のあと、彼らは、率直にそのことを、テレビニュースのカメラに向かって話している。 交流戦がすみ、しばらく経つと夏休みだ。そこで、パ・リーグは、セ・リーグを圧倒する、と行かなくとも、肩を並べる程度の活況を呼べるか。 パ・リーグだけのテーマではない。交流戦が終わろうとする1週前、ワールドカップ予選は、北朝鮮への乗り込みで、日本中が沸きに沸き、夏休みなかばはイランを迎えての最終カードが組まれる。興奮は最高潮に達しよう。 熱狂度の“勝負”は、今からでも、予想がつく。 仮に、このままの日程が、来シーズンも組まれるなら、それは、ドイツ大会とぶつかる。 プロ・ベースボール界にとって、今後のカギを握る「2年間」だ。 その焦点となる交流戦。この切り札をどう活かすか。活かせるか。12球団の試合内容が総て、といっては「新時代」を占うには平凡すぎるだろうか―。 |