手さぐりをつづけていたラグビー・カレンダーが、どうやら落ち着きそうだ、そんな感じを、今週日曜日のマイクロソフトカップ1回戦(東京秩父宮、大阪花園)でうけた。
トップリーグが発足して国内最高の“質”はこのリーグに預けられることが明らかになったが、“人気”はいぜん大学界がリードしている。
私も学生スポーツの最後の砦(とりで)は、ラグビーと駅伝、それにアメリカンフットボールあたりかな、と見るのだが、日本のトップゾーン拡充の視点では、学生界優位がつづくうちは、国際競争力で、物足りなさが浮き出る。
ワールドシーンで活躍を目指すラグビーは、総ての面でトップリーグが、話題の主軸でなければいけない。 リーグ閉幕を待ってのマイクロソフトカツプ、第1回の昨シーズンは、ファンの間でも戸まどいがあったが、今年は総当たり戦とは趣きを異にする一発勝負に興味を集め、東京のスタンドは、なかなかの入りを見せた。
集客にさまざまな手も使われたようだが、今後に活きよう。当面、準決勝(1月30日)、決勝(2月6日)を注目したい。 ジャパン(日本代表)の実力を高める道は、専門家たちの分析に委せるとしても、スタンドから観ている範囲では、選手個々のスキルを磨く以外に手はなさそうだ。
トップリーグに参加している外国人選手達の力量はその一点につきる。ラグビーというスポーツに対する熟練度で、彼我の差は、あまりにも明らかである。伝統や母校愛の背景にこだわっていては限界がある。 1月なかばでビッグゲームが終ってしまったこれまでのシーズンから、佳境は、大きくずれて、楽しみこの上ない期間が延びた。 ファンの慣れの速さに比べ、選手たちの表情に疲れの色をかくせないが、そこを乗り切らねば、本格的なラグビー時代の幕は開くまい。カレンダーの“定着”が、望みをふくらまさせる―。 |