テレビ画面で見るだけだが、リオデジャネイロ(ブラジル)で開かれている初のビーチサッカー・ワールドカップの会場(コパカバーナ海岸)は、なかなかの規模に思える。 さすがサッカーの国、ともいえるが、「ビーチスポーツ」が、興行的にしっかり根を下している印象のほうが強い。 このスタジアムは、常設ではなく、大きなイベントのたびに組み立てられるという。これまでビーチバレーボールのビッグゲームや、ビーチハンドボールのパン・アメリカン選手権などが行われており、歴史の浅い各ビーチスポーツの“組織化”に役立っている。 太陽を求めて憩う人たちの間近に仮設とはいえスタジアムは不似合いとも思えるが、こうしたイベント感覚は、これからのスポーツには欠かせぬものだろう。 「ツール」と呼ばれる大がかりな自転車の各ロードレース、「ル・マン」に代表されるような自動車レースなど、ヨーロッパでは、土地柄、季節をベースに、スポーツイベントが根付いている。 世界的な観光地コパカバーナとスポーツが結びついているあたりの楽しさは、日本にも持ち込まれていい。 先週、東京・台場で今年が3回目となるビーチスポーツ行事があったが、プレーする側も、見る側も、愛好者の域を出ない。 ゴールデンウイークの台場には、日本を代表するビーチスポーツのトップレベルが揃っている、と習慣づけば、新展開を期待できる“素材”だ。 海岸線の多い日本だが、遊泳に適している場所ばかりではない。波や風を求めての新しいスポーツスポットとして賑わいを見せている所もあるが、日光浴とスポーツ観戦の組み合わせは、海浜の使用許可などがからむのか、なかなか育たない。 バレーボールにつづいて、ラモスジャパンの健闘(ベストエイト進出=5月10日)からサッカーが“市民権”を得たならビーチの複数競技による世界選手権ウィークなど面白かろう。ビーチスポーツは日本に向いているのだ。 ドームやアリーナ全盛に対してオープン・エアのスポーツの魅力は捨て難い。 多くの人たちを、太陽の下へ連れ出すのもスポーツの“使命”ではないか。 自然の風から離され、大型スクリーンの映像にリードされるスポーツ観戦とは別の味が、ビーチスポーツにあふれている―。 |