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vol.266-1(2005年 8月31日発行)
杉山 茂/スポーツプロデューサー

「マンデーパ・リーグ」打ち切りのなぜ?


岡崎 満義/ジャーナリスト
  〜駒苫の暴力問題を考える〜
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「マンデーパ・リーグ」打ち切りのなぜ?
杉山 茂/スポーツプロデューサー)

 パ・リーグが来シーズンから「マンデーパ・リーグ」と呼んできた毎週月曜日の公式戦編成を廃止することになった、という。

 セ・リーグに集客面で水をあけられ続ける同リーグが2001年から始めたアイディアで、それなりの支持を得ていた。

 それが最近は、あまり“効果”がなくなったそうで、移動日なしの連戦など選手への負担を大きくしてまで続けるまでもない、となったらしい。

 もったいない打ち切りではないのか。セ・リーグとの交流戦で、パ・リーグ各球団、各選手への関心も高まり、これからがチャンスと思えた。

 セ・リーグの行われない曜日での開催で、もっとも大きなメリットは、テレビ中継を組めることにあった。

 キーとなるカードに、ほかの2カードの情報(映像)をふんだんに挿入し「パ・リーグナイト」にしてしまうのも不可能ではなかった。

 パ・リーグ自体が番組スポンサーになる手も考えられ、リーグ一体のマーケティングを促進させるきっかけにもなり得た。

 「マンデーパ・リーグ」のネーミングは、アメリカのプロフットボール(NFL)の伝統的ヒットになった「マンデーナイト・フットボール」が下敷きになっている、と聞いたが、NFLの大成功は、この夜ばかりは、総てテレビのためにと徹したからだ。球団によっては「マンデー」用の特別ユニホームまであつらえた。

 リーグとテレビ局(ABC)が合作で「月曜の夜は早く家に帰ろう」と宣伝し、ウィークエンドの楽しみを1日増やしたプロデューサーは「アメリカの月曜日を変えた男」と評された。1970年の話だ。

 フットボールとベースボールでは、日程の組みかたが根本的に異なり、パ・リーグは幸運にあやかれなかったが、テレビへの姿勢はとうてい本家に及ぶものではない。このあたりの意識が、日本のスポーツマネジメントには、決定的に低い。

 誤解を恐れず書けば、月曜日のパ・リーグも、テレビ至上の方針を打ち出すべきだった。

 その実績を重ねれば、やがては、テレビの前も、球場も、フアンの目で囲まれたのではないだろうか。

 交流戦でパ・リーグの存在感を示せたとするれば、むしろ「マンデー」をてこ入れし、一気にセ・リーグを追い抜くぐらいの迫力を望んだが、逆の方向へ針を廻したのは、1リーグ論のぶり返しを予感させるだけのような気がしてならない―。


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