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スピード・ワールドカップ トリノ大会・女子500m 岡崎朋美


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スピード・ワールドカップ
トリノ大会・女子500m
岡崎朋美

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vol.281-1(2005年12月14日発行)
岡崎 満義/ジャーナリスト

日本サッカーにFWはいるか?

杉山 茂/スポーツプロデューサー
   〜孤独の強さが描く影〜
    −2005年を振り返るA

松原 明/東京中日スポーツ報道部
   〜「柏の転落は」〜
岡 邦行/ルポライター
   〜もうひとりの“ミスター・サブマリン”〜
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日本サッカーにFWはいるか?
岡崎 満義/ジャーナリスト)

 サッカーW杯ドイツ大会の組合せが決まった。日本の1次予選はF組−ブラジル、クロアチア、オーストラリアと対戦することになった。来年6月までに、日本代表はどんなふうに力を磨き、誰が選ばれるか。あと6ヶ月あるから、思いがけない新人が飛び出してこないともかぎらない。

 規律のトルシエとうってかわって、自由のジーコ監督が本番までに、どんな選手を育て、どんな作戦をたて、本番でどんな采配をふるうか、大いに楽しみだ。

 ところで、日本チームについていつも言われることだが、FWに決定力が足りないのが何とももどかしい。MFにはすぐれた人材が多いのに、なぜFWには決定的なストライカーが育たないのか。チャンスを作って、あと一歩のところで崩れる。決定的、と思われるところでも、さらにパスをつないで安全策をとろうとして、かえってチャンスをつぶすシーンをしばしば見る。

 専門家は「FWはもっとわがままでなければならない。俺が、俺がという目立ちたがり屋でなければならない。何が何でも俺がゴールに蹴り込むのだ、という強い信念の持主でなければならない」と、もう10年も20年も昔から言われているが、いっこうに変わったふうには見えない。俺が俺が、となれないのは、サッカー選手だけでなく、日本人の基本的な性格なのではないか。

 この日本人選手の“歴史的弱点”は誰の目にも明らかだ。柳沢、高原、久保、玉田、大久保、巻、大黒・・・誰が出てきても不満が残る。(私はとくに柳沢だ)むしろ、MFやDFの方が得点することが多いような気がする。

 FWとMFはそれぞれ役割がちがう。しかし、日本のFWとMFは殆ど同じような動きをしているように見える。得点感覚は殆ど変わらない。役割がちがうのだから、本来FWとMFの意識もちがうはずなのだが。

 テレビ画面で見るかぎり、FWの意識をもっていても、体の動きはMFと同じように見えるのはなぜだろう。動きにFWとMFの差がない。

 そこで、素人の私は思う。日本チームにはFWはいない。FWは不要だ。DFを除き、あとはみんなMF集団と選手が意識したらどうだろうか。私の好きな野球でいえば、FWの意識と体の動きをもっているのはイチローである。イチローの四球嫌い、悪球打ち、ワンバウンドの球でもヒットにしてしまうイチローは、試合の始まりの幕をひき裂く、理想的なFW、1番打者である。

 イチローの悪球打ちに相当する、サッカー選手の意識と技は何であろうか。ドリブル突破だけではあるまい。イチローは日本人(選手)としては、異質な存在である。

 今、サッカーでFWをしている選手の中には、イチローのような異質な日本人はいないのではないか。それならば、無理なFW意識を捨てて、MF意識をもつ。FW的に1番前に位置するMFと、これまで通りのMF的位置にいるMFがあるだけで、あえてFW的意識を植えつけようとしないで、MF的意識を拡張するという位の軽い気持ちでやってみたらどうなのだろう。

 素人考えもいいところだが、この辺のことをサッカーの専門家に訊いてみたい、どなたか、ぜひ教えてほしい。


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