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第36回春の高校バレー 藤田宗一郎(大村工)


(C)photo kishimoto


第36回春の高校バレー
全国高等学校バレーボール
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大村工×鳥取工
藤田宗一郎(大村工):右

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vol.243-1(2005年 3月23日発行)
岡崎 満義/ジャーナリスト

女子マラソンを見ると元気が出る




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女子マラソンを見ると元気が出る
岡崎 満義/ジャーナリスト)

 今夏、ヘルシンキで行われるマラソン世界選手権の日本代表が、男女各5人づつ決まった。それにしても、女子マラソンの充実ぶり、層の厚さには目を見張るものがある。高橋尚子、野口みずき、土佐礼子などのエース級が出場しなくても、次から次へと新人が飛び出してくる。

 代表になった小崎真理、原裕美子、大島めぐみ、江田良子、弘山晴美のうち、名前を知っていたのは弘山と大島(旧姓・田中)ぐらいのものだ。

 最後の選考レースとなった名古屋国際女子マラソンは、逆転再逆転・・・の激しいレースとなり、テレビにクギ付けとなった。優勝したのは初マラソンの23歳・原裕美子(2時間24分19秒)だった。関係者の間では、駅伝の実績があり早くから素質を認められていたようだが、それでも初マラソン優勝はスゴイ。

 「20キロ付近で腹痛が始まって、大森監督からはそんなときでも顔に出してはいけない、相手に読まれる、と言われてたんですけど、表情に出ちゃって・・・」

 「栃木出身と言えば渋井陽子さん(日本記録保持者・今回は体調不良で7位)。ちょっとでも勝って名前を知ってもらいたかった」と、まことにういういしいレース後のコメントだ。

 私はテレビ中継のあるスポーツは、時間さえあれば何でも見る。トークショーやバラエティ、ドラマなどと違って、どんな凡戦でも見飽きることはない。勝とうとして精一杯動く選手たちの姿は、成功失敗さまざまだが、やっぱりひきつけられる。

 その中でも見ていていちばん元気が出るのは、女子マラソンである。手に汗を握る面白いスポーツは他にたくさんあるが、見ていて元気になるのは、何といっても女子マラソンである。マラソンのレースは1年に数回しかないから、名前と顔がすぐ結びつく選手は10人足らずだ。いつも無名の目新しい選手を見ているようで、これも新鮮で気持ちがいい。見慣れた選手を見つけて、「まだがんばっているな」となんとなくホッとしたりすることもある。

 走る、というもっともシンプルな体の動きなのだが、1人1人みんなフォームは違っている。顔や体型が違うように、走るフォームも違っている。個性とは脳の中だけでつくられるものではなく、体そのものだ、と分かる。これが私の心だ、と体が語っている。

 マラソンは42.195キロという長丁場だから、選手の体、表情、走り方が次第にかわってくるのが分かる。体の中に春夏秋冬の季節がめぐっているような感じさえする。キリリとひきしまった顔に汗が浮かび、やがて苦痛に顔がゆがみ、呼吸音が聞こえるほど口を開ける。腕の振り方、足の運びにも疲れによる乱れが見えてくる。それでも走ることをやめることはない。今は春だな、今は冬に入ったな、と自分の中をめぐる四季を感じながら、この選手は走っているのだろうな、と勝手に想像する。

 35キロを過ぎると、カメラはほぼ先頭グループだけに固定されるが、それまでは少なくとも第2、第3集団までは映るから、たくさんの選手の走りを見ることができる。それもマラソンの魅力だ。

 もうひとつ忘れてならないのは、マラソンは市街地、つまりふつうの人たちの生活空間を走り抜ける楽しさだ。日常的に見慣れた生活空間を、彼女たちが鋭く切りさいて走り抜ける楽しさは、トラック競技では味わえないものだ。見慣れた町に小さな祝祭のラインを鮮やかに引いていく―そんな感じが、男子マラソンより女子マラソンにより強く感じられるように思う。そんな姿を見ていると、ほんとうに元気になる。


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