話題が首都圏に限られてしまうが、先週からバスケットボール、ハンドボール、バレーボールの各日本リーグのプレーオフが次々と開かれ、今週はアイスホッケーの決勝シリーズが東上してくる。 総てを見て廻りたいとするフアンは少ないだろうが、各スポーツで日程を調整しあうような姿勢があれば、観戦のラウンドロビンも増えるだろうに。惜しい気がする。 日本のスポーツは、シーズン制を考慮しあい、スポーツ界全体の“底あげ”を図ろうといった感覚に欠ける。 3月下旬にイベントがたてこむのは、“会社チーム”依存の体質から、いぜん脱け切らぬ状況を示すものだ。 会計年度にそって一区切りつける習性がスポーツ界にもしみこんでいるのである。 4月に日程を組みこむと、どのチームも新年度の社内行事に重なるとされ、高校、大学から加わる新戦力とのかね合いも生じる、と言う。総て“会社の都合”なのだ。 地域との密着だの、共存だのといいながらも、日本のスポーツは、まだ、このあたりをうろうろしている。 “会社の事情”に最大限の譲歩をしたとして、スポーツ側が、どこまで旧態を破るアイデアを練って“会社チーム”の協力を求めているかとなると、怪しい。 例えば、3月末の“密集”を脱け出して、ゴールデンウィークに、シーズンのフィナーレを持ち込むプランが、なかなか実現しない。 いつの間にか、3月の壁の前で、ひしめき合うことになる。 各スポーツの日程編成担当者に聞くと、国際カレンダー、会場事情、テレビ局の要望などが重って、思い切ったシーズンの組み替えができない、とこぼす。 いかに観客を集め、熱狂したムードを作り上げるか。それは、現代のスポーツ団体が背負うテーマの1つである。 プレーオフを気ままに並べ、フアンの関心を分散させるよりも、スポーツ間の連携で、チャンピオンシップへの“組織的な関心”を次々と演出しあうのも手ではないか。 タテ割りの構造からヨコ組みへの変革が、日本スポーツ界には総ての面で欠かせない―。 |