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2005年FISA世界ボート選手権大会 林真奈美


(C)photo kishimoto


2005年FISA
世界ボート選手権大会
林真奈美

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vol.267-1(2005年 9月 7日発行)
岡崎 満義/ジャーナリスト

もう一度、高校野球の暴力問題

杉山 茂/スポーツプロデューサー
  〜長良川で流れた「世界記録」〜
佐藤 次郎/スポーツライター
  〜高校球界は危機感を持て〜
滝口 隆司/毎日新聞運動部
  〜NOMOクの優勝にみるクラブスポーツ〜
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もう一度、高校野球の暴力問題
岡崎 満義/ジャーナリスト)

 駒大苫小牧高校の暴力問題がやっと一件落着となった、と思ったら、やはり夏の甲子園に出場した柳川高校(福岡)で部内暴力があったことが判明、対外試合禁止処分をうけた。

 8月29日の練習後、2年生部員が1年生の頭をほうきの柄で叩いた。1年生の1人は頭を4針縫う怪我だったという。被害をうけた1年生部員の1人が、クラス担任に相談したことから、暴力事件が明るみに出た。

 高野連の通達や処分にかかわりなく、これだけ次々に暴力事件がでてくるのは、高校野球部の暴力は特別な事件ではなく、きわめて日常的なものだと思っていいのかもしれない。上級生→下級生、指導者→生徒、というタテの暴力の流れは、殆ど日常化しているのだろう。とくに強豪校においては。

 それにしても、高校のスポーツクラブは数々あるにもかかわらず、なぜ野球部だけに集中的に暴力問題が表面化するのだろうか。他のスポーツクラブでも起こっているが、表面化しないだけなのか。実際に暴力的体質は、野球部にきわ立って多いのか。そのあたりがよく分からない。

 ひとつはっきりしているのは、高校生のスポーツで野球だけが突出してメディアにとり上げられることが多い、ということだ。野球は甲子園が始まると、連日、新聞、テレビで大々的に報道される。他のスポーツがあつまる高校生のスポーツの祭典、高校総体(インターハイ)は、新聞のスポーツ欄にほんの少々報道されるだけだ。テレビに取り上げられることはまずない。高校野球は別格的存在なのである。そのことが、暴力問題の背景にあることは、たしかであろう。

 学校でスポーツをやる以上、スポーツは教育の一環、といわなければならないようだ。しかし、スポーツが、野球が教育だ、という大前提を崩さなければ、暴力は必ずしのび込んでくる。教育における体罰は、世界でもかなり認められているからだ。暴力を条件付であっても認める社会で、上級生→下級生、指導者→生徒への暴力は発生してもおかしくない。

 学校体育はたしかに、教育の一環である。しかし、スポーツは教育ではない。何か、スポーツはスポーツである、教育と関係ない、という認識に立たないかぎり、暴力問題はなくならないのではないか。

もうひとつ、ずっと気になっているのは、開会式の“整然とした”入場行進である。あの一糸乱れぬ行進は、ヒトラー・ナチスのベルリン五輪から始まったといわれる。ぎこちなく手を高く肩まであげて大きく振り、腿も高くひき上げ、足並みそろえて行進するやり方は、軍隊式としかいいようがない。あんな歩き方は、現実の生活の中に、何のつながりもない。あの入場行進を美しいと思い、少年らしい清潔さに溢れたものだ、との見方の中に、実は奥深いところで、暴力を許容する芽があるように思う。「気をつけ!」「右へならえ!」「前へ進め!」の考え方が、今も生きている。もうそろそろ、入場式は自由な、リラックスした歩き方が出てきてもいいと思うのだが、戦後60年たっても、憲法9条を守る、といってみても、甲子園の歩き方だけは変わらない。

 サッカーのJリーグでは、選手がピッチに入場するとき、1人ずつ子どもと手をつないで歩いて出るやり方が定着してきた。外国サッカーの真似だろうが、選手にも次第に身についてきた。

 高校生たちがチエを出しあって、入場行進の歩き方を新しく変えてほしい、と切に願う。


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