4年にいちどのアジア大会(夏季大会)も、ついに、自らの大きさ、重さに耐え切れなくなったようだ。 外電によると、この大会の主催者・アジアオリンピック評議会(OCA)の幹部が、一部の競技を新イベント「アジア室内競技会」へ移行する案を検討しはじめた。 アジア大会は、ふくらみにふくらんできた。 いたずらに過去と比較するのはどうかと思うが、54年前、ニューデリー(インド)で開かれた第1回大会は6競技、日本など11の国と地域の参加だった。 それが、3年前、釜山(韓国)での第14回大会は38競技420種目、44の国と地域から選手団が送り込まれた。さらに、来年11月の第15回大会は、史上初めて中東を舞台に選び、ドーハ(カタール)で、40競技が実施される。 夏季オリンピックも巨大化を指摘されるが、競技数は28だ。今夏6月の国際オリンピック委員会総会(シンガポール)で、見直しが行われ、競技数は「28を越えない」ことが確認されている。新競技が加われば、現行競技からその数(最大5競技といわれている)がふるい落とされる。 アジア大会は、増えるにまかせた。オリンピック競技を軸に、女子種目の増加、アジア特有の競技、民族的競技が加えられ、チェスまである。 OCA筋によれば、インフラの整備を含めて最低でも開催費は10億ドル(約1090億円)はかかる。大変な負担だろう。 ドーハの次は2010年広州(中国)での開催が確定しているが、引き受け手のなくなる心配が、私に言わせれば、ついに起きた。 ドーハは、当初、30〜33競技の計画でスタートしたが、結局、40競技になってしまった経過がある。 アジア大会に限らず、地域総合競技大会(リージョナルゲームズ)特有の各国伝統のスポーツを、国際性がないから、オリンピックで実施されていないからとして、はずせぬ事情が横たわるのだ。 苦肉の策として、OCA筋は「アジア室内競技大会」へ一部を移行したら、と考えたのである。もっともな姿勢といえる。 この大会は、一昨年あたりから、伝えられていたが、移行の含みがかくされていたとは思わずあまり気にとめていなかった。第1回大会は今秋11月、バンコク(タイ)で予定され、発表されている競技数はフットサル、エアロビクス、競泳短水路、室内陸上競技など9つ、ドーハから、この時点での移行は考えにくい。2007年の第2回大会(マカオ)、あるいは2009年の第3回大会(詳細未定)あたりなら、アジア大会との“姉妹関係”も整えられる可能性はあろう。 内外ともに総合競技大会の肥大は悩みだけに今後のOCAの動きが興味深い―。 |