プロバスケットボール「bjリーグ」が開幕する(11月5日、仙台・東京・大阪)。 6チーム8回総当りのあと上位4チームが来年4月末、プレーオフ(千葉県幕張)を争う。 来シーズン(06〜07年)は、新たに2チームが加わる、と、早々の発表があったが、日本バスケットボール協会とは“無関係”の運営で、どれだけファンを集め、ブースター(バスケットボールではサポーターをこう呼ぶ)の熱狂に囲まれるか、最初のシーズンに総てがかかりそうだ。 日本のバスケットボール界は、90年代後半、日本リーグの「プロ化」または、協会傘下の「プロリーグ」を意欲的に検討していた。 その流れの“実現”が「bjリーグ」かとなると、そうではない。 「bjリーグ」は、旧来の組織とはまったく異なる方向で、ハナからエンタテイメント色を打ち出し「見て楽しめるバスケットボール」を“売り”にする独立路線だ。 こうした形の船出は、オリンピック系スポーツでは珍しい。 案外、1936年に旗上げした時の「プロ野球(日本野球)」も、同じような感覚だったのかも。 日本バスケットボール協会が、10月、関係者にわざわざ「bjリーグ」とは無縁を通知したのも“性格の違い”の念押しであり、10年ほど前から続く「プロ構想」と一線を画したかったのだ。首肯される。 日本バスケットボール協会は、2001年、日本リーグ(男子)の名称を「スーパーリーグ」に改め、07年秋にはプロ発足へ漕ぎつけたいとしている。
「bjリーグ」との“2リーグ制”ではなく宿願の達成である。 来年に世界選手権(国内各地)を控える事情からすれば、昨年、あるいは今年あたりに、間に合わせたかった。 07年秋などと焦らず、じっくり検討を進め「Jリーグに肩を並べる」(96年当時、プロ推進者の発言)リーグを目指したらどうか。 複雑なのは、さらに別ラインで「プロ・リーグ」計画がうごめいていることだ。 ここらあたりが、日本バスケットボール界の“見えない部分”で、ファンは呆然とさせられるばかりだ。 スポーツの魅力を、娯楽性、事業性にしぼり、徹底展開しようとする「bjリーグ」の“新しさ”が、どのように進んでいくか。 スーパーリーグの“プロ移行”が決まればファンはその時“エンタテイメント派”か“本格派”かを、選ぶことになる―。 |