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第39回全日本選抜体重別選手権大会 男子/100Kg超級 棟田康幸×高井洋平


(C)photo kishimoto


第39回全日本選抜
体重別選手権大会
男子/100Kg超級
棟田康幸×高井洋平

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vol.296-1(2006年 4月 5日発行)
岡崎 満義/ジャーナリスト

高校生投手の連投はどこまで許されるか

杉山 茂/スポーツプロデューサー
  〜大切にしたいナマの審判眼〜
松原 明/東京中日スポーツ報道部
  〜「日本代表のマッチメイクのジレンマ」〜
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高校生投手の連投はどこまで許されるか
岡崎 満義/ジャーナリスト)

 今年の選抜高校野球は、好試合が多かったように思う。これもWBC効果だろうか。とくに、早稲田実業と関西高校の延長15回引き分け再試合は、両チームが力の限りをつくした熱戦で見応えがあった。早実は2度の対関西戦で力を出し尽くしたらしく、準々決勝では横浜に13−3と大敗を喫した。

 それも当然かもしれない。早実の斎藤佑樹投手は関西との延長15回で231球、再試合で103球、横浜戦で111球、3日間で445球を投げているのだ。伸び盛りとはいえ、いくらなんでも、投げ過ぎだろう。

 チームの事情はあるだろう。2番手投手に信頼が置けない。斎藤投手自身が強く登板を監督に希望した。体力もあり、地肩も人一倍強い素質をもっているのかもしれない。17歳の若さなら、3連投にも十分耐えられる、と監督は判断したのだろう。

 ひと昔前なら、1人の投手がすべての試合を完投するのが当たり前だった。それがエースのエースたるゆえんでもある。エースで4番打者はザラにあった。

 しかしながら、今の野球は分業が進んできた。プロ野球では投手は100球が1つのメドになっている。高校野球でも次第に、2枚看板の投手陣を目指すようになってきた。

 こんどの早実の投手起用は、そんな風潮に逆行するように見える。早実ベンチに、斎藤投手と心中するのだ、といった悲壮感はなかったように思うが、結果としては、3日間で445球を投げさせることになってしまった。

 10数年前、やはり連投で腕が伸びなくなった投手が出たとき、肩やひじの過重負担が問題になったことがある。そのとき、アメリカでは、高校生は1週間に11イニングスを越えて投げてはいけない、と決められている州もあると知った。この制限にどのような医学的根拠があるのかわからない。基本にあるのは「肩は消耗品である。その肩を使って将来、メジャーリーガーになるかもしれない。将来の可能性のために、肩はできるだけ温存する」という考え方である。打者はバッティング・マシンで技術を磨けるが、投手にはそんな秘密兵器はない。

 その立場から見れば、3日間連投445球はやはり無謀な行動としか思えないだろう。斎藤投手自身「甲子園がすべてだとは思っていない」と言っているところをみれば、長い将来にわたって、投手をつづけたい気持ちは十分持っているはずである。

 高校生の肩の負担について、高野連は最新のスポーツ医学の面から、科学的に研究してほしいものだ。悲壮感あふれる美談ではなく、科学的な合理性を優先させるようなシステムをつくってほしい。金の卵たちの素質をできるだけ大切にするような方式を、とくに投手については、ととのえてほしいものだ。


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