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vol.284-1(2006年 1月11日発行)
杉山 茂/スポーツプロデューサー

「世界的クラブ」目指すレッズにつづけ



岡崎 満義/ジャーナリスト
  〜箱根駅伝といえば中村清監督〜
松原 明/東京中日スポーツ報道部
  〜「警告、退場、レフェリー」〜
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「世界的クラブ」目指すレッズにつづけ
杉山 茂/スポーツプロデューサー)

 浦和レッズが、元日、国立競技場の第85回全日本サッカー選手権決勝戦を制した。

 次なる目標は04年シーズンに惜しいところで逃した「Jリーグ優勝」と誰もが期待をかける。

 歓喜するサポーターに視線を注ぎながら「それも目標には違いないが・・・」とクラブの役員の1人はこう言って一呼吸おいたあと「この優勝が世界に通用するクラブへのスタートになれば、これ以上嬉しいことはない」と力をこめて話した。

 個人スポーツの関係者からは、よく聞く言葉だ。チームスポーツとなると1970年代のバレーボール(男女)にまで私の記憶は遡(さかのぼ)る。

 バレーボールはひたすら「金メダル、金メダル・・・」の連呼だった。

 浦和レッズの目指す「世界レベル」は、競技力だけではない。

 むしろ、総ての面で、先進している海外クラブの事業力に目標が置かれているのだ。会員数、集客量、売り上げ高、地域の支持度・・・。

 日本にも、ようやく、このような経営感覚を備えたチームスポーツの風土が育ちはじめたといえる。

 この理想は、浦和レッズの“独走”では、おそらく実現しまい。

 Jリーグ各クラブのうち1つでも2つでも、いや5つぐらいは、同じ感覚で前進を競い合わなければ、成功への道は拓かれない。70年の歴史を刻むプロ・ベースボールに、同じような気迫がこれまでに生じていれば、ベースボール界にとどまらず、日本のスポーツ界に大きな刺激を与えただろうが、残念ながら、多くの年月は、親会社の販売促進を荷わされて過ぎた。

 チーム力の強化とともに地球規模の展開と成熟を、新年早々の栄冠に重ね合わせる浦和レッズの意欲は、日本のスポーツ観の進化にもつながる。

 誤解を恐れず書けば、代表チームがワールドカップで上位へ勝ち進むよりも、国内のクラブが世界的声価を得るほうが、はるかに難しいだろう。

 それは、Jリーグ各クラブにとって挑みがいのある“業務”ではなかろうか―。


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