「ドーピング」規定の国際的な統一を図るための世界会議がコペンハーゲン(デンマーク)で開かれた(3月3〜5日)。 これまで、各スポーツの国際組織(=IFと呼ばれる)が個別に設けてきた規定を一つにまとめようとするもので、違反に対してとられる資格停止期間などには、それぞれ"考え方"の違いがあり、調整は難しかったようだがどうにかまとめあげた。 日本でも、今秋の静岡国体から検査が導入される。 当初は、成年部門だけにといった意見もあったが、国際的にその甘さは許されず、少年部門にも摘要される。 日本体育協会は、ここ1、2年、その啓蒙に力を入れてきたが、まだまだ理解度、浸透度は薄い。 もともと日本はこの問題への意識が高いほうではなかった。 野放し、というわけではなく、薬を使っての強化に縁遠かったのである。それはそれで素晴らしいが、検査導入の遅れの理由にはならない。 一方で、かなり、薬の服用が進み始めているとの情報もある。厳しい管理を続ける指導者の1人は「油断できない状況」という。 国体で実施されれば、一気に関心も集まり、注意も払われようが、秋までに、いっそうのPRは欠かせまい。国体は得点争いがからむだけに徹底がより求められる。 世界会議では、プロ・スポーツに今回の統一規定を義務づけていない。アメリカのプロ組織が"除外"されることに、以前から反対を唱える声も強く、今後の大きな課題だ。 大相撲(日本相撲協会)は、早い時期での導入をすでに明らかにしているが、違反力士は番付の地位を下げるなどするのだろうか。日本のプロ・スポーツも、この後、その姿勢が問われることになる。 薬の乱用は、スポーツの"公平さ"を揺るがし、背くものだが、一般的な薬品などにも禁止成分が含まれているケースが、年ごとに増えている。 念入りな指導と注意深さが欲しい―。 |