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2006トリノ冬季パラリンピック競技大会 車椅子カーリング ピネロロ
(C)photo kishimoto

2006トリノ冬季
パラリンピック競技大会
車椅子カーリング
ピネロロ

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2006トリノ・パラリンピック特集C(2006年3月13日トリノ発)
角田 麻子/スポーツライター

新種目「車椅子カーリング」は、日本で広まるか

            


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新種目「車椅子カーリング」は、日本で広まるか
(角田 麻子/スポーツライター)

 トリノオリンピックで一気に日本でも認知度が広まった種目・カーリング。細かいルールはともかく、「カーリング娘」のさわやか笑顔見たさに、日本時間深夜の試合にもかかわらず、ついテレビで観戦した人も多かったはず。カーリングがオリンピックの正式種目となったのは1998年の長野と、比較的新しく加わった種目だが、このトリノでは「車椅子カーリング」として、パラリンピックでもデビューした。

 競技方法は健常者のカーリング種目と若干違い、ブラシで氷をこする役割がない。つまり、3人で1チームだが、一人ずつストーンを滑り投げて、相手のストーンをはじき出し自分たちのストーンを的の近くに残すのである。

 ストーンを投げるときは車椅子からかがんで自分の手で投げる人もいるが、ほとんどの選手がスティックでストーンを押し出して前に滑らせる。そのため、カーリングの名前の由来にもなった、ストーンを回転させながら、カーブさせてコントロールするところまでには、まだ競技レベルとしても達していないのが現状だ。「当ててはじく」というシンプルさは、「氷上のチェス」というより正直「おはじき」感覚に近い。

 この「車椅子カーリング」に、日本も次のバンクーバー大会は出場するべく選手育成に動き出しているが、カーリング場が少ない日本では競技を行える場所が限られてくるので、実際「車椅子カーリング」がどこまで日本に定着するかは未知数だ。ただ、「日本としてパラリンピックに出場する」ために競技を広めるのか、それとも競技がおもしろいから広まるのか。やはりスポーツそのものの魅力がなければ、競技人口は広まらない。パラリンピックのためだけに特定の人がやるスポーツではなく、ぜひ一般に広がるよう、氷の上にこだわらずにオールシーズン気軽に車椅子でできるような道具や会場を作り出す工夫も、あってもいいのかもしれない。

 日本ではマイナー競技であるカーリングを車椅子でやるのであれば、ボーリングならもっと気軽にできるはず。私自身はボーリング場で車椅子の人がプレーしているのを見たことがないが、障害を持った人のスポーツの楽しみ方は、施設のほんのちょっとの配慮と道具のほんのちょっとした工夫で、いくらでも身近になるものなのだと教えてもらった。


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