大会初日に金・銀・銅のメダルをひとつずつ獲得した日本勢だが、その後今ひとつ波に乗れず、メダルへの勢いが途絶えたかに思えた大会5日目の3月14日、ノルディックスキー・バイアスロンの小林深雪選手とアルペンスキーの大日方邦子選手が再び、今大会それぞれ2つ目となるメダルを獲得した。 小林選手はバイアスロン女子7.5キロ視覚障害で2位となり、初日の12.5キロで獲得した金メダルに次ぐ銀メダルを獲得。すでに金メダルを獲得し心に余裕があったのか、12.5キロのときよりもリラックスして滑れたということで、「バイアスロンでメダル獲得」が目標だった小林選手には、2個目のメダルが銀メダルという結果にも「満足」とのこと。一方大日方選手は女子滑降座位での銀メダルに続き、スーパー大回転座位でも再び銀メダル。大会前に「表彰台の中央に2回以上立つこと」を狙っていただけに、今回のレースはスタートでミスがあり、結果には満足していない。大日方選手は小林選手同様、長野パラリンピックで金メダルを獲得しているが、ソルトレークでは銅メダル止まりだったため、今回期すものは大きいに違いない。 二人とも女性で三十代。小林は3度目、大日方は4度目の冬季パラリンピックであり、競技者としてはベテランの粋に入っている。そんな彼女たちがここまで頑張る、メダルへのモチベーションとは何なのだろうか。そう考えていたら、ふと、トリノオリンピックのスピードスケートで4位に入賞した岡崎朋美選手の姿を思い出した。彼女も同じく三十代の女性。長野で銅メダルの後、ソルトレークでは結果を出せず、それでもトリノではオリンピック出場4回目にして日本選手団の主将を務め、4位という今大会の女子スピードスケート日本代表の中で、最高の順位をたたき出したのだ。 次々に新しい選手が生まれるオリンピックとは違い、障害者スポーツでは、長く第一線で競技を続け年齢を経ている人が多い。そのため、アスリートとして「年齢」はあまり大きな意味を持たないように思われがちだが、成績の残せた大会、残せなかった大会と、そのどちらも通ってきた経験と、体力面や技術面のたゆまない鍛錬が彼女たちを支えているというのは、岡崎選手と共通する。 「女は強い」。経験も実力も、根性も華もある・・・。オリンピックだけではなくパラリンピックも、主役は、「メダル」に向けてひたむきでい続けてきた女性アスリートたちである。 |