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100号記念メッセージ

■vol.150(2003年6月11日発行)

【杉山 茂】 代表チームはそのスポーツの醍醐味を
【早瀬利之】 友利の逃げ切り、新人宮里の逆転。追い込み、熱戦の裏で、ジャンボの引退宣言が気になる。
【松原 明】 驚異のアメリカサッカー
【岡崎満義】 神宮球場は“東京甲子園”だった

■ スポーツアドバンテージ 150号記念メッセージ ■


代表チームはそのスポーツの醍醐味を
(杉山 茂/スポーツプロデューサー)

日曜日(6月8日)、2つのジャパンが、昼と夜に、空しい試合ぶりで、ファンに天を仰がせた。

ワールドカップ(10月、オーストラリア)を控えるラグビーと、コンフェデレーションカップを間近(6月、フランス)にしたサッカーである。

どちらも、簡単に勝利を奪える相手ではなかったが、その世界のビックネームを本気にさせるかどうかが、スタディアムを埋めた観客の期待であった。

安易に「勝負は二の次」などとは云いたくないが、そのスポーツの醍醐味を、まず全力で発揮するのが、代表チームというものだろう。

ラグビーは、このところ“勝てる相手”と見込んだ相手に敗れ、サッカーも不甲斐ない試合ぶりで、宿敵に名を成さしめている。

この日の両チームは、失望の声を浴びせたファン、サポーターへの“反撥”が望まれもしたのである。

どちらも、善戦には遠い退けられたかたで散り、しかも、相手の誇る力と技を引き出す前に、もろくも敗色を濃くしたのは、不甲斐なさすぎた。

両ボールゲームに限らない。最近のチームスポーツは、内容に淡白すぎ、濃さが感じられない。

海外の超一流ゲームが、ふんだんにテレビからなだれこんで来る時代だ。

観客は、ムリな注文と分かっていながら、テレビで得たイメージを求めて、会場のゲートをくぐるのである。

落胆ばかりを与えていては、いつか、観客席からは熱気が失(う)せるだろう。

3年後、300号となる「スポーツアドヴァンテージ」で、私たちは、何を書いているのだろう。

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友利の逃げ切り、新人宮里の逆転。
追い込み、熱戦の裏で、ジャンボの引退宣言が気になる。

(早瀬利之/作家)

今年のJCB仙台クラシックは、5打差で追う新人プロ宮里優作に注目された。5打差を逆転すると、これは新人としてはジャンボ尾崎や中嶋常幸に匹敵するデビューとなる。

12番でイーグルを決め、友利勝良(48歳)に追いつき、逆転なるかと思われた13番で、ボギーを叩いた。一方の友利はバディーを決め、ここで2打差と開いた。

これは新人プロが、一度は味わなければならない「詰め」であり、プレッシャーである。気負うと、ゴルフボールは大きく曲がる。気力を集中させると、そのまま抜け出せる。

何よりも、新人プロには「テレビ中継」という、もうひとつの障害物がある。カメラマンやマイク係と、視界を移動するため、集中できない。

特に地元局とあって、友利ではなく東北福祉大を卒業したばかりの新人の逆転優勝に期待を賭けていた。カメラワークも宮里中心になるのはやむをえない。その期待に応えようと、宮里は必死になっていた。

ここで初優勝すれば、2年間の日本ツアー出場権がとれる。また、日本ゴルフツアー機構はじまって以来の「ツアー制度プロ」(PGAテストなし)の優勝となる。

「犬猿の仲」にある日本プロゴルフ協会(PGA)に対して一矢報える。PGAテストなしでもツアーテストを受ければ賞金稼ぎのプロになれる、という、日本ツアー機構の狙いが、確定的なものになるはずだった。

残念ながら、テレビ中継という洗礼を受けて逆転ならなかった。

逆転という仮定で話すなら、@2003年全英オープン出場資格、A2年間の国内ツアー出場資格、B来年のシード権確定、CUSツアーテストの地方戦の免除、D日本オープンへの「プロとしての出場権」など、大きく道が開けてくる。
勿論、次週からの試合に1勝すれば@〜Dまでのチャンスはある。そこに向かって、全力投球できるかどうか。

宮里の活躍もさることながら、4日間逃げ切った48歳の友利選手の8年ぶり優勝に大拍手を送りたい。実は2週間ほど前に、不調の友利選手に「シニア入りを考えているのか」と皮肉をこめてゲキをとばした。

ちょっと言い過ぎたかな、と25年来(新人の頃から)の知人、友利に申し訳ないことをしたな、という気持ちでいる。ヤジられたら反撃する、前向きな姿勢がなければ優勝できないが、友利にはまだまだ「反撃心」がある。

その点、持病に苦しむジャンボ尾崎の時代は終った。見ていて痛々しい限りだ。

これからは「いつ引退宣言するか」、各記者は、スクープに走るが良い。

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驚異のアメリカサッカー
(松原 明/東京中日スポーツ報道部)

5月31日から韓国・釜山で行われていた国際U17サッカー大会に出場したアメリカ代表に14歳の天才黒人ストライカーが出現。

視察にきた欧州ビッグ・クラブのスカウトを驚かせた。

アフリカ移民の子供でフレデイ・アドウ。

観戦した関係者の話によると「フィジカル、ボールテクニック、スピード、シュート力とも一流で、すぐに契約したい、といった話まで出ていた」というスター。

7月、フィンランドで行われる世界ジュニアユース大会では話題になるに違いない。

多民族国家のアメリカは近年、このような金の卵が続出。各年代の育成プログラムが完成し、本格的な養成が実り出しているから、「2010年のワールドカップ制覇」の夢は実現するかもしれない。

アメリカはロサンゼルス郊外のカーソンに総工費1億5000万j(約180億円)の巨費を投じたトレーニングセンターが、6月8日にオープン。A代表を始め各年代の育成センターになる。

ここには、アメリカプロ・リーグのロサンゼルス・ギャラクシーのホーム・スタジアム(2万7000人収容)も併設され、室内トラックも完備した総合スポーツ施設。

日本のJビレッジをしのぐ最高の環境が整った。

日本では、まだ、アメリカを軽視する人が少なくないが、すでに、A代表は世界ランクのベストテン入り。今後、世界の分布図を塗り替える驚異の存在になりつつある。

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神宮球場は“東京甲子園”だった!
(岡崎満義/ジャーナリスト)

6月8日、2年ぶりに神宮球場へ行った。

ヤクルト対阪神第14回戦は、久保田(神)、ベバリン(ヤ)の両先発投手が好投して、引き緊ったいい試合になった。

結果は延長11回、ヤクルトのサヨナラ勝ち。梅雨入り前の、初夏を思わせる風に吹かれながら、そしてビールを飲みながら、4時間のゲームを楽しむことができた。

その日、阪神が2位巨人に9ゲームの大差をつけて独走中だったから、球場は虎キチファンが多いだろうとは予想していたが、いや、ほんとに驚いた。スタンドの8割以上が黄色い阪神ファンで埋まったように見えた。

ヤクルトファンはライトスタンドの一部、遠慮がちに応援していた。一塁側の内野スタンドも阪神ファンが圧倒的だ。まるで東京甲子園と呼びたいくらいだった。

フランチャイズ制って何だろう。

プロ野球は70年近い歴史をもっているが、このフランチャイズ制は中々根付かない。

長嶋茂雄さんと話し合いをして分かることは、巨人は東京にフランチャイズを置くチーム、という意識はまったくないことである。昔の参議院の全国区という意識である。「全国3000万のファンのビビビッが背中に伝わって…」という。

それに唯一対抗できるのが、タテジマのユニホームの阪神タイガース。甲子園球場はアメリカ大リーグに似た雰囲気で、モーレツな地元チームの応援風景が、いつでも見られる。六甲おろしの歌、7回の風船飛ばし、タイガースならではの名物風景だ。

しかし、東京の神宮球場が甲子園と化すとは、想像もできなかった。阪神の貸切り球場になったかと思われた。こんなに阪神の追っかけがいるの。それに歯が立たないほど、ヤクルトファンはヤワなのか。

この日、私はバックネット裏の2階席でグラウンドを俯瞰するかたちで試合を見たのだが、周りはすべて阪神ファンで、阪神の攻撃が始まると、大声で選手の名前を叫び、プラスチック製のメガホンを打ち鳴らし、津波のような六甲おろしに洗われて、私はほとほと疲れた。

大リーグの試合のテレビ中継を見ていると地元チームに対する応援と、相手チームに対する無視、ないしブーイングは、実にはっきりしている。

巨人が“全国区”というのは、親会社が新聞・テレビということでも、もともと中央志向の強い日本人の国民性のようなものが感じられて、分からないでもない。

イチローが大リーグ入りして初めて、テレビを通してイチローの凄さを見た人が多いだろう。それぐらい、テレビ、ラジオの試合中継は巨人に偏っていて、オリックスなど“弱小球団”は、年間数試合程度しか、放映がなかった。

プロ野球は地動説ではなく、巨人を中心にした天動説の古界だ。

中で阪神タイガースだけが、別の惑星のようではないか。フランチャイズ制を乗り越えて、他球場まで乗っ取るのだ。要するに、日本プロ野球のフランチャイズ制は、巨人と阪神の存在が大きなカベとなって、いつまでたっても機能しない。

いい悪いの問題というよりも、これが日本型フランチャイズ・システムだ、と認めるべきなのか。プロ野球を反面教師として、地域密着型のスポーツを目指すサッカーは若い世代に支えられているだけに、ホームとアウェイの感覚がはっきりしているのだろう。

巨人・阪神の超フランチャイズ型のプロスポーツは、どこまで生きのびていくのか。案外、日本社会の変貌を正確に映し出す鏡の役割をしているのかもしれない。

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