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vol.209(2004年7月21日発行)

【杉山 茂】本格的なプロスイマー時代到来
【高田実彦】一度“全体の交流戦”を見てみたい

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本格的なプロスイマー時代到来
杉山 茂/スポーツプロデューサー)

 競泳でプロ選手は成り立ちにくい、と言われてきたものだ。

 ビッグネームでも、レース中に表情が見えにくい。ほとんどが水中、顔を浮かせても、水しぶきが邪魔をする。それにキャップ、ゴーグル。“素顔”がかくされる。

 当然、テレビの“露出”にも限りがある。スタート前、フィニッシュ後…。

 国際レベルの女子選手に聞いた話だが、現役中、ほとんど顔を知られていなかったそうだ。

 これでは、個人的なスピーチででも光らなければ、プロとしては苦しい。

 ところが、コマーシャリズムという名の時代の波は、トップスイマーたちを置き去りにすることはなかった。

 映画のターザン役で名を成したジョニー・ワイズミューラー(アメリカ、1924、28年のオリンピック金メダリスト)の話は古すぎるとしても、1972年ミュンヘンオリンピックで7個の金メダルを手にしたマーク・スピッツ(アメリカ)やソウル・オリンピックの5冠王マシュウ・ビオンディ(アメリカ)らは充分にプールでの「媒体力」を活かしたものだ。

 ただ、彼らは、成果を上げたあとでの名声といってよく、勝ち取った金メダルを首に巻いて名を覚えられ、顔が売れた。

 “今”は違う。先週終幕したアメリカのオリンピック選手選考会で、出場した個人種目すべてで代表権を手にしたマイケル・フェルプス(1985年6月生まれ)は、すでに堂々たるプロスイマーである。

 昨年、ボルティモアの高校卒業と同時に、そのスター性、実力を買ったエージェントとプロ契約を結び、年間100万ドルをギャランティされていると伝えられている。

 選考会前の、プロ競技者契約としてのプレゼンテーションは勇ましく、挑戦する姿勢にあふれていた。先行する、イアン・ソープ(オーストラリア)を意識しての煽りかたも、なかなかだった。
アテネ・オリンピックでは個人種目5、リレー種目3にエントリーし、スピッツの金字塔に並ぶ、と張り切る。

 金メダルへの意欲は「なんとか競泳というスポーツをメジャーにしたい気持ちから」というが、それが成されれば、そのプラスは自分へはね返ってくる。見事なプロ魂だ。

 ソープとは200m自由形で対決する予定だが、舌戦も話題を呼ぶだろう。

 遅ればせながら、競泳も本格的なプロたちの“戦場”となってきた―。

一度“全体の交流戦”を見てみたい
高田 実彦/スポーツジャーナリスト)

 阪神が音頭を取って、巨人を除くセ・リーグの5球団が「2リーグ制維持」で一致したという。

 事態は流動的であるが、これらの動きをどうみたらいいのだろうか。

 セ5球団が1リーグ制反対・2リーグ制維持を唱えるのは、一にも二にも「巨人戦が減って減収になるのはイヤだ」からである。

 一方巨人が「1リーグやむなし」と考えたのは、

 @パ・リーグが5球団から、さらに4球団になるから「同じリーグに入れてほしい」という意向を入れたと思われること

 A巨人自体が「新しいカードを組んで人気を挽回して売り上げを上げたいから」である。

 巨人戦の人気は、伝統の一戦といわれる巨人・阪神戦でさえ名ばかりで、ナイターのテレビ視聴率は10〜15%そこそこ。ゴールデンタイムの番組としては落第だ。また東京ドームは外野自由席券(席がない)をバンバン売って満員の発表をしているだけである。

 巨人としてはセの5球団に対して「あんたたちとだけやっていてもこれ以上儲からないんだよ」ということで1リーグという「増収計画」を立てたといえる。この計画に対するセ5球団の対応策が「交流戦」である。

 しかし、これまで巨人は交流戦に賛成してきたが、反対して潰してきたのはセの5球団だった。

 セ5球団は、パが財政に苦しんで交流線を持ちかけてきたとき、「そんなことをしたらオレのところが減収になる」と反対した。されば、とパが5球団から4球団に身を削って1リーグやむなしとなったとき、やっと交流戦をやると言い出した。

 セ5球団も巨人も、しょせん、商売一点張りである。

 セ5球団は交流戦のほかに、ドラフトのウェーバー制やFAの取得年限の短縮や機構加盟金30億円の廃止などを出している。みんないいことであるが、実はすべて巨人主導で実施してきたものだ。

 セ5球団の“改革案”は“巨人否定”を突きつけることになる。

 これだけコケにされた巨人が、こう言いだしたらセ5球団はどうするのだろうか。

 「わかった。オレのところは来年からパの5球団と一緒にやる!」

 これは巨人の脅しではなくて、追いつめられた巨人の反撃である。

 また、今は鳴りをひそめているが、ロッテがいう「8月の下旬に何かある」に向かって水面下で進行していると見ていい「もう1つの合併・パ4球団」の事態に、セ5球団はどう対処するつもりなのだろうか。

 それでも2リーグ制を唱え続けるのだろうか。

 巨人の渡辺恒雄オーナーはメチャクチャにいわれているが、セ5球団のオーナー連中も似たようなものだ。経営者として無理ないとはいえ、つまるところは自分の懐具合だけが心配で、プロ野球のファンサイドの視点が欠落している。またバランス感覚もない。

 今のプロ野球はおおむねつまらない。カードが干からびていて新鮮味がないのだ。

 ここは、パが4球団になるのを機会に、一度、“全体の交流戦”をやって、その間にいまセ5球団が出している“改革案”などを検討し、新加盟者を入れて、再び2リーグ制に戻るように努力するのが自然の流れではないだろうか。

 


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