Home
オリジナルコラムを中心とした当サイトの更新情報、スポーツ関連講座やシンポジウム開催情報などを無料配信しております。今すぐご登録を!
メール配信先の変更
ご意見・ご要望


■Back Number■

Vol.145( 5/ 7)
Vol.144( 4/30)
Vol.143( 4/23)
Vol.142( 4/16)
Vol.141( 4/ 9)
Vol.140( 4/ 2)
Vol.139( 3/26)
Vol.138( 3/19)
Vol.137( 3/12)
Vol.136( 3/ 5)
Vol.135( 2/26)
Vol.134( 2/19)
Vol.133( 2/12)
Vol.132( 2/ 5)
Vol.131( 1/29)
Vol.130( 1/22)
Vol.129( 1/15)
Vol.128( 1/ 8)
Vol.127(12/25)
Vol.126(12/18)
Vol.125(12/11)
Vol.124(12/ 4)
Vol.123(11/27)
Vol.122(11/20)
Vol.121(11/13)
Vol.120(11/ 6)
Vol.119(10/30)
Vol.118(10/23)
Vol.117(10/16)
Vol.116(10/ 9)
Vol.115(10/ 2)
Vol.114( 9/25)
Vol.113( 9/18)
Vol.112( 9/11)
Vol.111( 9/ 5)
Vol.110( 8/28)
Vol.109( 8/22)
Vol.108( 8/14)
Vol.107( 8/ 7)
Vol.106( 7/31)
Vol.105( 7/24)
Vol.104( 7/17)
Vol.103( 7/10)
Vol.102( 7/ 3)
Vol.101( 6/26)
Vol.100( 6/19)

100号記念メッセージ

■vol.146 (2003年5月14日発行)

【杉山 茂】  新生ラグビーの力となるか「赤と黒」
【松原 明】  Jリーガーの大学回帰
【早瀬 利之】男女ツアー・外国人選手の逃げ切り優勝に意義あり
【市川 一夫】行政主導型依存からの脱却が課題〜早稲田大学スポーツビジネス研究所の提言〜


新生ラグビーの力となるか「赤と黒」
(杉山 茂/スポーツプロデューサー)

ラグビー日本代表のジャージー(Jersey)のデザインが新調された〜5月11日発表〜。

1930年からという「赤・白のしま模様」がまったく消えたわけではないが、エリの色を黒にし、パンツ、ストッキングも同色としたことで、受ける印象は、以前とかなり異なる。

70年以上も続く伝統のカラーを変えるというのは、特にスポーツの世界では、勇気がいる。

ラグビー界は、このところ、次々と新路線を打ち出し、その激しさ、速さからすれば、デザインの変更も流れのひとつ、ビックリする話ではなが、発表を伝えるマスコミの“露出量”はかなりのもの。

新生より変革がうけた感じだ。

胸のスポンサー名を気にするムキは少なくこれも時代。ラグビーだけが“特別な世界”を築いている方が、ムリである。

ところで、しま模様は、ラグビーらしさを現し、ジャージーの定番だが、外国の代表チームは「単色」が多い。

一般のチームが、しま模様にこだわるのはともかく、この際、代表チーム(「ジャパン」)は、「単色」を選んでみたらどうだったろう。

深い江戸紫、海をイメージする色…。力士のまわしに表現される日本人の色彩感覚は、すでに各国の伝統となっているデザインとはまったく違うたくましいカラーを見つけ出せたのではないか。

ジャージィ地方(イギリス)の綿、毛糸で編まれたユニホームが品質も良く好まれて「ジャージー」が通り名になったと、その道の通(つう)に教えてもらったことがあるが、今日では、素材も、大きく変わっている。

編みもの的配色から脱するのも、新しい手、として考えてよかったろう。

テレビインタビューを聞いていたら、大畑大介選手が「若い人たちがこのジャージーに憧れてくれれば…」と話していた。

ジャパンをめざし、世界を狙う選手たちが生れるのは大切だが、私はもうひとつ、新しいデザインが若者たちのファッションとして注目され、スタディアムへ集まるファンが多くなることにも期待をかけたい。

総てに新しくと気負うラグビー界。それはフィールドの上だけですむものではないのも“現代のスポーツ”である−。

PageTop


Jリーガーの大学回帰
(松原 明/東京中日スポーツ報道部)

大学サッカーへJリーガーOBの回帰運動が進んでいる。

かつては日本の主流を占めていた大学サッカーも、Jリーグの誕生で陰が薄れ、今や、遊び半分の同好会のような姿になってしまった。

大学の悩みは「常勤で指導してくれる指導者がいない」ことだ。

舵取りの居ない船が正しい航路を取れないように、監督のいないチームは、どうしても、ルーズな練習に陥り、志のある選手は失望して辞めてしまう。

前途を期待されて入学しながら、ハリのある生活が出来ず4年間を過ごして「卒業したらただの人」になるケースも少なくないのだ。

関東大学2部の法政大は今季からOBで元ビッセル神戸監督の川勝良一氏をコーチに招き、目下首位を行く快進撃の道を開いた。

神戸監督14年間の川勝監督の経験豊かなアドバイスは、選手の悩みを解決し、「よし、これなら」とやる気を起こさせた。

筑波大は水戸ホーリーホックを引退し大学院へ進学した、OBの木山隆之氏が就任。1部首位を走る。1部に復帰した中大は柏レイソル初代監督だったOBの山口芳忠氏が専任監督。1部昇格の日大も湘南ベルマーレ監督、OB植木繁晴氏のコーチ就任が再建への土台になった。

各大学は部費でプロコーチを招く資金がないため、各氏はほとんどボランティア活動。「大学の再興へ力を貸そう」の熱意で支える努力を続けている。

伸び盛りの年代の学生が無駄な4年間を過ごさないように、「Jリーガーが母校へ帰ろう」運動が実るだろうか。

PageTop


男女ツアー・外国人選手の逃げ切り優勝に異議あり
(早瀬 利之/作家)

先週は木・金曜日を川奈ホテル富士コースで開催のフジ・サンケイクラシックを、土曜・日曜日は女子のワールドレディースを取材に出かけた。

試合結果は、男子ツアーは、トット・ハミルトン(37歳)が17アンダーの大会記録で、女子ツアーは、アニカ・ソレンタム(スウェーデン)が12アンダーで優勝した。

いずれも、外国人選手の「逃げ切り優勝」というよりも「独り旅」だった。

川奈は初日が途中雷雨で1時間ほど中断した。また日没のため、サスぺンデットとなり、2日目の6時25分から、残りの選手が初日のラウンドを消化した。今年も川奈は風が吹き、各選手とも苦戦した。

新人プロの宮里優作は、2日目、ドライバーのロフトを9度から9.5度に、シャフトを45センチに伸ばして、川奈を攻めようとしたが、クラブになじめずに、予選落ちした。欲を出したことが、裏目に出たが、しかし新人プロの意欲を窺える内容だった。

宮里プロには、国内で出場できる推薦試合があと4試合しかない。他に、推薦する主催者が現れても、9月にはアメリカツアーテストがあり、国内試合に集中できない。

シード権を獲るには、少なくとも2000万円の賞金をとり、60位以内に残らねばならない。新人がその年のツアーで優勝した例は中嶋常幸にあるが、それを越えられるかどうか、注目される。

優勝したトット・ハミルトンだが、日本ツアーに出て15年目になる。ゴルフをビジネスと考え、日本ツアーに参戦するため、投資家から遠征資金を集めて1988年に来日した。

自分で洗濯し、バックを担いで試合先から次の試合先へと移動しながらの戦いだった。このところ、家族をアメリカに戻し、独りで戦っている。

今大会では、16番の左OBゾーンを避けるため、徹底的に右方向を狙った。また、パターも川奈の高麗グリーン用に、ロフトゼロのパターに変えて、勝負に出た。その効果はみごとに開花し、順目、逆目のグリーンを上手く攻めて、2位に5打差をつけて優勝した。

女子ツアーのアニカは、夫のデビッド・エッシュ(キャディ)のコーチを受けて、2位に9打差をつけて逃げ切った。一見して筋肉質に見える体だが、本人は体力づくりのため肉食と油揚げ(フライ)ものをやめ、野菜や魚肉をとっている。

柔らかい体がパワーになるというのは角界力士の先例がある。 それぞれ、パワーの源は違っても、柔らかい筋肉が、長時間戦う上ではベストである事は、医学的にも証明されている。

今大会で52勝目を上げたアニカだが、食事も勝因のひとつになっている。

来週は、アメリカ男子ツアーのバン・オブ・アメリカ(コロニアルオープン)に出場する。男子ツアー出場はロサンゼルスオープンに出場した(1945年)ベーブ・ザハリス(31歳)以来、史上2人目。楽しみである。

今回、一部スポーツ紙は男子ツアー優勝者のハミルトンの顔を、たった1.5センチの豆ツブ程度で扱っていた。

スポーツ紙は人種差別なく、優勝者は大きく取り上げて称えて欲しい。売れる、売れないの問題ではない。報道姿勢が問われる。

PageTop


行政主導型依存からの脱却が課題
〜早稲田大学スポーツビジネス研究所の提言〜
(市川 一夫/スポーツライター)

早稲田大学スポーツビジネス研究所(略称RISB)という耳慣れない組織がある。

大学の知的財産センター内のいわゆる学内ベンチャーだが、スポーツ産業に関する調査・研究や委託研究などが主たる事業である。

今月24日(土)、大学国際会議場で同所主催『スポーツクラブ・ビジネス・セミナー』が開かれる。

国が推進中の総合型地域スポーツクラブの育成・運営をビジネスという視点で捉え、そのためのキーワードを示し、研究員(大学の教授陣)がレクチャーすると同時に、参加者に演習してもらうプログラムである。

さらに、NPO法人日本ランナーズクラブを立ち上げた金哲彦氏(競走部OB)が事例紹介を行う。

早稲田大学はスポーツ教育・研究の拠点としてスポーツ科学部を所沢市におき、国・県の補助事業であるクラブ立ち上げを全面支援し、育成途中である。

また、埼玉県スポーツ振興基本計画策定にも加わり、県広域スポーツセンター事業の業務委託を研究所が受けていて、ノウハウが集積中である。

さて、今回のテーマとなる、何となく堅苦しいイメージの総合型地域スポーツクラブであるが、平成7年度より試験的にスタートし、13年度からは新しいスポーツ振興基本計画の中核事業として推進されているが、育成状況などが社会の関心を集めたり、話題に上ったりすることが少なく、その姿がなかなか見えて来ない。

それは、国の施策であるが故に、現実化するまでのリード・タイムが長いこと、公共土木事業などと違い規模が小さく、形にならないので注目度が低い、未曾有のデフレ経済下、スポーツは後回し等、いくつかの理由が挙げられる。

しかし、何よりも、スポーツ振興基本計画そのものへの国民の関心度、注目度が極めて低いことが一番大きな理由である。

スポーツはテレビで見るものであり、競技、健康、社交などの目的で自身がスポーツに参加することは、まだまだ生活の一部となっていないのである。

この基本計画は、『できる限り早期に、成人の週1回以上のスポーツ実施率が2人に1人(50%)になることを目指す』(平成13年4月文部科学省)と定めている。(平成12年度内閣府調査では37.2%)

そのためにクラブの全国展開に向けた施策として、全市町村に少なくとも一つのクラブ、都道府県に一つの広域センター育成を目指している。

最新の情報では広域は18、クラブは236(準備中305)(14年7月現在文部科学省調べ)が活動している。数字から見る限りでは、計画が2年経過した時点としてはまずまずのペースである(実際は7年度からの累計である)。

基本計画が都道府県に通達された当初は、クラブ育成のイロハから勉強するといった状況であったが、最近では設立・育成・運営のための実務段階に移行しており、関係団体による研修やセミナー、先進事例視察も活発化している。その意味からは基本計画が着実に浸透していることがうかがえる。

問題は行政主導で立ち上げ、指導・育成をしないと計画が推進されないことである。長い間、行政が準備した施設、予算つまり税金で賄ってきたスポーツ活動を受益者負担、地域主導、多種目、多世代型のクラブ組織に頭を切り替えることは、相当な意識改革であり膨大なエネルギーが必要である。

既存の習慣、認識を変えさせる啓発活動が急務であるが、行政の限られた予算ではキャンペーンが展開できない内情もあり、関係者はやきもきしている様子である。

そのような状況を打破すべく、研究所は行政の支援を受けつつ地域主導でクラブ設立・育成の流れを作りたいと目論んでおり、今まで蓄積した事例の発表と参加者による意見交換などを行うという。

一ベンチャーのチャレンジがどこまで流れを変えるきっかけになるか? 過大な期待は禁物だが、新しい試みに注目したい。

■詳しくはこちら
http://www.waseda.ac.jp/projects/risb/risbland2003.htm

PageTop


本サイトに掲載の記事・写真・イラストレーションの無断転載を禁じます。 →ご利用条件