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■vol.152(2003年6月25日発行)

【杉山 茂】 下降示すプロスポーツの全米テレビ視聴率
【松原 明】 ジーコ日本代表の力は
【早瀬利之】 東北福祉大出の新人プロ2人目の初優勝で大学ゴルフ部のあり方が問われ出した
【今城力夫】 ベッカム様のお通りじゃ?


下降示すプロスポーツの全米テレビ視聴率
(杉山 茂/スポーツプロデューサー)

サンアントニオ・スパーズの4年ぶり2度目の優勝で終ったNBAファイナル(対ニュージャージー・ネッツ、4勝2敗)の全米テレビ視聴率(ABCが放送)が、視聴率調査開始(1976年)以来、最低となる6.5パーセント(=6試合平均)にとどまった。

第4戦を終ったところで、平均6.3パーセント、21年ぶりの1ケタ台、と伝えられた低調を、結局、挽回できなかった。

原因は、いろいろ考えられ、“分析”もされている。両チームともに、飛び切りのスターがいなかったことや、ロースコアを指摘する見方は、なかでも多い。私はプレーオフ(トーナメント)の試合数過多に首をかしげる。

さしものプロスポーツ王国アメリカも、「ファイナル」ならば、どのような仕組みと顔合わせになっても、全土を熱狂させることが難しくなった、と思えるのも気になる。

今年1月の第37回NFLスーパーボウル(タンパベイ・パッカーズ48−21オークランド・レーダーズ)もABCの全米視聴率は40.7パーセント、史上27番目だ。

NFLは、ケーブルテレビやインターネットでの総視聴者数約1億3800万人は史上2位、と強気だが、放送権料は驚異的な巨額へはね上がっているだけに、関係者の胸中は、おだやかではなさそうである。

NBAの全米放送権料は、昨秋、今シーズンから6年間46億ドルで、ウォルト・ディズニー社、AOLタイムワーナー社の両者が手にし、ディズニーは、傘下のスポーツ専門局ESPNで、タイムワーナーはAOLグループのTNTで主に放送を行う。

ディズニーのABCはプレーオフのほか、レギュラーシーズン14試合を放送しているだけに、今回の数字は、来シーズン以降、スポンサー確保のためにもなんらかのテコ入れを必要とするのではないか。

テニスも、テレビ界では往時の勢いに欠ける、といわれはじめている。

ウインブルドンで、昨年の王者レイトン・ヒューイット(オーストラリア)が、開幕初戦(6月23日)で無名の選手に、あっさり退けられてしまうように、安定感のある“強い人気選手”が少ない。ファン、視聴者の興味を惹きつけられない一因だ。

長身と豪腕を活かした超高速サーブ1本で勝負がつき、テニス本来の妙味であるラリーが続かないもの、気にいられなくなった。

国際テニス連盟(ITF)はサーブを1回だけに限る案や、ボールのサイズを大きくするなどで、“力まかせのテニス”から脱したいというが、どうか。

テレビを通して伝わるスポーツが、マネーの話題ばかりに取り囲まれる風潮にも一石が投じはじめられていることを、テレビ界も、気がつくべき時に来ている―。

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ジーコ日本代表の力は
(松原 明/東京中日スポーツ報道部)
フランスで開催された、サッカー・コンフェデレーション杯に参加した日本代表は、一次リーグ突破が出来ず、あえなく敗退した。

Jリーグは1ヶ月間もリーグ戦を中断して、代表強化に当てたが、格下のニュージーランドに勝った1勝だけ。世界の壁がいかに厚いか、を思い知らされた。

この勝てない背景には「日本のJリーグでいつも通用しているプレーが、いかに甘いか」ということがある。今大会で攻守のミス続出を何回も指摘されたが、これは、JリーグではOKのプレーなのに、一瞬のスキも見逃さない、欧州、南米代表には通じなかったのだ。

Jリーグでは得点出来る大久保も、何もさせてくれなかったのは、国際試合の厳しい経験不足だからだ。

中田を筆頭に、何人も欧州に修行に行ったが、その体験を積み重ねて、互角にやれたのは中田と中村だけ。中村も欠場すれば得点できないのも無理はない。

欧州組は全く出番のないGK川口を始め、ベンチが多い稲本、高原、鈴木は明らかに力が落ちた。鈴木は1年間、昨年のW杯の1ゴールだけ。オランダでフル出場してきた小野は故障と疲労でこの大会に出場もできなかった。

経験を得ても出番がなければ上達しない日本選手の現状。これでは、ドイツ大会のアジア予選を突破するのも並大抵ではない。相手が手を抜く国内開催の国際親善試合では上達しない。

常時、欧州でぶつかる国際試合をやる以外に、厳しいプレーを体験できない。アジア各国の前にはだかる地理的な不利を、どうやって克服するだろうか。

その上、若い世代に現在の代表を脅かす素材が見あたらない。今後、この教訓を土台に、どう強化して行くか、日本の前途は決して楽観できない。

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東北福祉大出の新人プロ2人目の初優勝で、
大学ゴルフ部のあり方が問われ出した
(早瀬利之/作家)

中日クラウンズでツアー初優勝した星野英正(25歳)に続き、1年後輩の谷原秀人(24歳)がツアー初優勝した。その2週間前のJCB仙台クラシックでは、同じ東北福祉大出の宮里優作が優勝争いを演じ、結果は2位に入った。

このところ、東北福祉大ゴルフ部が脚光を浴びているが、星野が日本アマチュア選手権をとって以来、大学のゴルフ部のあり方が問われていた。それまでは、日大と日体大、専修大学など、首都圏にある大学のゴルフ部が活躍していた。

ところが星野に次いで、沖縄出身の宮里優作が学生選手権、日本アマなどに優勝するや、流れは東北福祉大へと変わった。

宮里優作が高校時代、大学進学の件で父親に相談を受けた。私はそのとき「今の日本大学のゴルフ部員は、大学の講義は聴かず、大学生としての資格に欠ける。大学生は1に勉強、2にゴルフであるから」と言って、日本大学入りには賛成しなかった。

聞くところによると、福祉大学では寮生活がおくれて、なおかつ地元の有力者が練習場やコースを貸してくれるという、恵まれた環境にあった。大学は勉強するところで、「学校にこなくてボールを打っておけ」という日大ゴルフ部の体質は、かえって人間教育を誤ることになり、今後あってはならない。

ゴルフは人間教育であるから、大学のゴルフ部に入る基準として 1.成績中クラス以上、2.論文の表現力があることなど、もっとハードルを高くする必要がある。

なおかつ、講義を受け、単位をとって卒業することで、プロ養成機関ではないことをはっきりと憲章文にするくらいのスタンスが欲しいものである。

つい最近では、学校のランクにかかわるということで、選手がスコアをごまかして申告した事件があった。これなどは、子供たちが進んでやったとは思わない。むしろ監督やコーチが、自分のクビに係るため、いい成績を出す必要から、生徒にアドバイスしたものと考えられる。

全て、大人が悪い。

単位をとれない学生は、即退学し、同時に退部させるくらいの気構えが望まれる。同時に追試験制度を考慮してやることも大切。

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ベッカム様のお通りじゃ?
(今城力夫/フォトジャーナリスト)

英国のサッカー・スーパースターであるデイビット・ベッカム選手が先週日本のスポンサー企業のため来日していた。プライベイトな日程の来日にも拘わらず、例によって大勢のファンが成田飛行場を初め彼の行く先々に大勢押し掛けたようだ。

しかし、今回の来日でちょっと気になることが起こった。

それは国内の報道関係は殆ど取材が出来たそうだが、外国メディアの取材は全くと言ってよいほど取材が許可されなかった。プライベイトの訪問であり何をしようが、何処へ行こうが、また報道陣の取材を拒否しようが勝手だが、その一つの場所に中央区立京橋築地小学校があったのは、どう考えても不自然なことだ。

というのはこの小学校は公立校であり、またベッカム選手が子供達と交流したのは通常の登校日(6月20日、金曜日)であったからだ。公立の学校を通常日に訪問し子供達と交流しておきながら、特定のメディアの取材を拒否したことは重要な問題を含んでいる、と言わざるを得ない。

子供達との交流を望んだのはベッカム自身だそうだが、これにはスポンサーの明治製菓が少なからず絡んだイベントであることは否めない。或いはこの企画をスポンサーである明治製菓が巧く利用したのかも知れない。

なぜかと言えば当日明治製菓の菓子が子供に渡されたり、報道関係者へ配ったプレスキット内にやはり明治のチョコレートが入っていたからだ。

それにしても公立校を監督する立場の中央区の大らかさに呆れて、取材の連絡をとってみた。当区の教育委員会事務局指導課の仁王氏が質問に答えて下さったが、当然のことながら訪問に関しては事前に知らされていたが、このイベントはPR会社が担当しており、取材社のことや外国メディアが取材拒否されたことなどは全く知らない、とのことであった。

ご本人も当日は現場に出向かれており、チョコレートの件はご存じであったが、「包んであり商品が露出していたわけではないので、特定の企業が絡んだイベントという認識はしておりません」と答えられた。また「ベッカムとの交流は国際理解教育の一環として行われたことである」とも仰った。

このイベントに異議申し立てをするつもりもないし、イベント自身はよい企画であったと理解している。

しかし、私は当教育委員会と学校の対処には少なからず疑問を抱く一人である。或いは我が国の教育関係機関はこんな程度と認識すべきなのだろうか。

最後に付け加えると、外国報道の取材拒否指示は英国にあるベッカムのエイジェントから出ていたものである。その理由は外国メディアに取材させて、日本の製菓会社やビューティー・サロンのようなコマーシャルを担当していると世界へ報道されると、彼のイメージが崩れてしまうことを恐れたから、だそうだ。

今回は大金を稼ぎに来ておいて、随分失礼なことではないか。

大英帝国はとっくに衰退したが、それでもプライドだけは高く、イギリス人は日本の家屋を「ラビット・ハッチ=ウサギ小屋」と侮辱した。最近はブッシュのアメリカに加担しイラク攻撃を行って国威を保とうとしている。

それにしても日本のメディアは「ベッカム様」などと馬鹿げた表現をしているわけだから、何をか言わんや、である。

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