会社案内
ホームページトップへこのページですインパクトへエデュケーションへインフォへ会社案内へ
 
オリジナルコラムを中心とした当サイトの更新情報、スポーツ関連講座やシンポジウム開催情報などを無料配信しております。今すぐご登録を!
メール配信先の変更
ご意見・ご要望

最新号

■Back Number■

vol.173(11/19)
vol.172(11/12)
vol.171(11/ 5)
Vol.170(10/29)
Vol.169(10/22)
Vol.168(10/15)
Vol.167(10/ 8)
Vol.166(10/ 1)
Vol.165( 9/24)
Vol.164( 9/17)
Vol.163( 9/10)
Vol.162( 9/ 3)
Vol.161( 8/27)
Vol.160( 8/20)
Vol.159( 8/13)
Vol.158( 8/ 6)
Vol.157( 7/30)
Vol.156( 7/23)
Vol.155( 7/16)
Vol.154( 7/ 9)
Vol.153( 7/ 2)
Vol.152( 6/25)
Vol.151( 6/18)
Vol.150( 6/11)
Vol.149( 6/ 4)
Vol.148( 5/28)
Vol.147( 5/21)
Vol.146( 5/14)
Vol.145( 5/ 7)
Vol.144( 4/30)
Vol.143( 4/23)
Vol.142( 4/16)
Vol.141( 4/ 9)
Vol.140( 4/ 2)
Vol.139( 3/26)
Vol.138( 3/19)
Vol.137( 3/12)
Vol.136( 3/ 5)
Vol.135( 2/26)
Vol.134( 2/19)
Vol.133( 2/12)
Vol.132( 2/ 5)
Vol.131( 1/29)
Vol.130( 1/22)
Vol.129( 1/15)
Vol.128( 1/ 8)
Vol.127(12/25)
Vol.126(12/18)
Vol.125(12/11)
Vol.124(12/ 4)
Vol.123(11/27)
Vol.122(11/20)
Vol.121(11/13)
Vol.120(11/ 6)
Vol.119(10/30)
Vol.118(10/23)
Vol.117(10/16)
Vol.116(10/ 9)
Vol.115(10/ 2)
Vol.114( 9/25)
Vol.113( 9/18)
Vol.112( 9/11)
Vol.111( 9/ 5)
Vol.110( 8/28)
Vol.109( 8/22)
Vol.108( 8/14)
Vol.107( 8/ 7)
Vol.106( 7/31)
Vol.105( 7/24)
Vol.104( 7/17)
Vol.103( 7/10)
Vol.102( 7/ 3)
Vol.101( 6/26)
Vol.100( 6/19)

100号記念メッセージ
150号記念メッセージ

■vol.174(2003年11月 26日発行)

【杉山 茂】 “当人の問題”ですまぬ大久保の言動
【佐藤次郎】 信じられない言葉
【早瀬利之】 宮里藍ちゃんに「魔の土曜日」。 3日制のトーナメントはペアリング変更で、新人に重圧
【岡崎満義】 瀧安治さんと「ナンバー」


“当人の問題”ですまぬ大久保の言動
(杉山 茂/スポーツプロデューサー)
 Jリーグも10年経つとこういう事件が起きてしまうのか。情けない想いをさせたのが大久保嘉人(セレッソ大阪)のレフェリーに投げつけた暴言だ(11月15日)。

 プレイヤーと判定。この宿縁がこじれるとプレイヤーを“弁護”するような論調がのぞく。今回も、そうしたムキがゼロではなかった。試合前に揚げられる「フェアプレーの旗」は、もはや、単なるセレモニーで終わっているのだ。

 日本代表のサポーターで、「OHKUBO」の名を染めぬいたレプリカを着る人が増えている。それだけ、彼への期待は大きいのである。はつらつとした動きは、あすを託すにふさわしい。

 そのイメージを、自らの軽率な言動で損なうというのは、あまりにもプロフェッショナル意識が欠けている。プロフェッショナルはイメージを売るものでもある。クラブにとどまらず、Jリーグとしても見逃してはいけない。

 気のせいか、このところ、Jリーグに限らずチームゲームのトップシーンで、判定への不満や、ラフプレーが目につく。

 いただけないのは、観客の怒声も、レフェリーや声援するチームの相手側に対して荒っぽくなっていることだ。

 スポーツを取り囲む総てが、粗野であってはならない。プロ、ノンプロを問わず、これは“きまりごと”ではなかったか。

 荒々しい攻防を、闘志と置きかえて支持するのは、スポーツを見る方も成熟していないからだ。

 ワールドカップラグビーでは、微妙なトライシーンにビデオテープチェックを取り入れていた。いかにも現代、だが、ラグビーの戦術・技術がレフェリーの能力の限界を超える時代を迎えているとは思えない。人間の目で捌けばスポーツの“今日的意味”を拡げられるのではないか。

 ところで、大久保の暴言を、指向性の強いテレビ・ラジオの集音マイクがキャッチしていたとも云われる。

 スポーツ関係者は、いつもカメラやマイクロフォンの“存在”をすごく気にする。素(す)のままでは、という不安が潜んでいるかのように、だ。これも現代、ではある。

 スポーツとそれを取り巻く人たちは、観客を含めて総て、フェアプレーの旗の下にあることを誇りとすべきだ。

 その誇りをホープとされる逸材が棄てかねなかった今回の事件を、当人だけの問題で、すませてしまうのは、危険ではないか―。

PageTop


信じられない言葉
(佐藤次郎/スポーツライター)

そのニュースを報じた新聞を見て、しばらくは信じられない思いだった。いったいどこをどうすれば、試合の最中にそんな言葉が出てくるのだろう。
 
 Jリーグ・セレッソ大阪の大久保嘉人選手が、先だっての試合で審判を「金もらってんだろ」と罵ったという出来事は、それほどショッキングなものだったと思う。そればかりか、以前の試合では、やはり審判に対して「ボケ」「かかってこんかい」と言ったともいう。

 若いとはいえ、トップリーグの押しも押されもせぬスターであり、日本代表にも選ばれるほどの選手である。それが、こともあろうに大事な試合中に、審判にこんな言葉を投げつけるとは、いったいどうしたことだろうか。
 
 その試合は警告が相次いで出されるという荒れたものだったという。選手側にも不満がたまっていただろうし、試合全体が異様な雰囲気になっていたに違いない。しかし、だからといって選手が審判を「金もらってんだろ」などと罵ったら、ルールも秩序もフェアプレーもあったものではない。スポーツそのものの尊厳を踏みにじる行為と言うべきだろう。
 
 スポーツはただの争いごとではないし、まして喧嘩でもない。ルールや最低限の節度を守り、スポーツマンシップを持って行われるからこそ、激しい戦いが興奮や感動を呼び、見る側の心に深くしみいるのである。そのために試合進行を司っている審判に対して、まるで無頼漢の喧嘩のような悪罵を投げつけたりしたのでは、スポーツは成立しない。それではただの争いに過ぎないではないか。
 
 この行為に対して、大久保の闘争心をむしろ評価する論調が一部にあった。それはちょっと違うだろう。スポーツマンシップも持たず、スポーツの本質も忘れて、ただ競技の能力がある選手がいくら活躍しようと、ファンは喝采しない。スポーツはその人間の自己表現の方法であって、スポーツの本質を忘れた人間のプレーはただのパフォーマンスに過ぎないからだ。
 
 ファンとしては、そんな選手の活躍で応援するチームが勝ってもちっとも嬉しくない。自由奔放な個性と、スポーツマンシップを忘れた粗暴さとは違う。この問題をこのまま放置しておけば、遠からずJリーグの試合は荒涼たる雰囲気に包まれることになるだろう。
 
 サッカーだけの問題ではない。プロ野球でも同じだ。ちょっとインサイドにボールが来ると、すぐさま詰め寄って投手を脅す打者。審判を「お前」呼ばわりして恫喝する監督やコーチ。そうした行為には、スポーツの持つ尊厳を大事にしようなどという思いは微塵も感じられない。そして、そのような行為を闘争心の現れ、男らしさの発露として受け止める向きにも大いに問題がある。
 
 今回の出来事に関しては、Jリーグもチームも選手たちももっと重大なものとして受け止めるべきだ。こうした、スポーツの尊厳を否定するような行為を、今後は完全になくすように宣言し、努力すべきだ。そうしなければ、これはファン離れの大きな一歩となるだろう。

-------------------------------------------------------------------

初めて1つのテーマ(題材)を2人のライターが論じました。 ご意見をお寄せ下さい。
今回は両氏とも同じ論旨ですが、1つのテーマを対角線上で採りあげる試みを今後行いたいと思っています。
  

                        編集部

PageTop


宮里藍ちゃんに「魔の土曜日」。
3日制のトーナメントはペアリング変更で、新人に重圧。
(早瀬利之/作家)
 ペアリングは、4日間制度と3日間制度で大きく変わる。4日間制度では、初日・2日の予選はスタート時間こそ変わるものの、同じ顔ぶれである。3日間制度では2日目は、初日のペアリングどおりにはならない。初日の成績順で組まれるから、顔ぶれが変わる。しかも、予選最終日なので、予選をパスしたいと、誰もが慎重になり、互いに顔面を引付ける心理状態になる。

 新人にとり、この壁はクリアしなければならないのだが、見る方、なかでもテレビ観戦する側としては、主催者側の意向が、土、日の中継に反映されず、物足りなさを感じる。

 これは世界共通の運営方法だからやむをえないが、「ルールは変えるためにある」ことを、検討すべきではないだろうか。つまり、3日制度の場合も、予選の2日間は、同じペアリングにすることである。本戦のみをスコア順に組む方法に変えてはいかがだろうか。

 4日制の場合は、予選2日間は同じ顔ぶれ、本戦2日間がスコア順の組み合わせになっているわけだから、これに順ずる運営方法を、世界中で考え直すと、土曜日の女子の試合が、俄然楽しいものになるはずだ。なぜなら、2日間で互いの気心が知れて、リラックスでき、積極的に攻撃できるからである。

 土曜日の女子ツアーを見ていると、みんな暗い。原因は顔ぶれが変わり、予選クリアに四苦八苦しているからである。これでは、女子プロの美しい表情が、コースでもテレビ画面でも見られない。検討課題である。

PageTop


瀧安治さんと「ナンバー」
岡崎満義/ジャーナリスト)
 巨人V9のメンバーの1人、瀧安治さんが11月19日に亡くなった。62歳だった。ユーティリティ・プレーヤーとして、内野ならどのポジションでもこなし、球際に強い堅実なプレーと、チャンスに強いバッティングで、川上哲治監督に格別に可愛がられた選手だった。

 昭和51年に巨人コーチを退団したあと、週刊文春に「巨人軍の真実」を連載してもらった。内容は手厳しい体験的フロント批判だったから、巨人との間に物議をかもした。52年の春キャンプでは、週刊文春だけ取材拒否された。それはともかく、昨今の巨人フロントの動きを見ていると、何も変わっていないような気がする。百年河清をまつ、の感が深い。

 私にとってさらに忘れられないのは、「ナンバー10号」の丸ごと1冊長嶋茂雄大特集をしたときのことだ。昭和55年4月に創刊した「ナンバー」は、創刊号の「江夏の21球」で大評判になったものの、その後の売れ行きは伸びず、苦戦していた。

 ちょうどその頃、6年目を迎えていた長嶋巨人も春先から不振つづきで、最下位に低迷していた。しびれをきらしたように、巨人のおひざもとの報知新聞、日本テレビ、読売新聞も長嶋批判を始めた。

 私は、チャンスだと思った。巨人ファンより長嶋ファンの方が多い、と思っていたから、ここは「ナンバー」が、長嶋さんの強力なサポーターになりたい、と思った。何としてでも長嶋インタビューが欲しい。当時、巨人はマスコミの取材にピリピリ神経をとがらせ、球団のガードか固く、長嶋さんには容易に近づけるような状態になかった。

 オールスターの期間中、長嶋巨人は多摩川グラウンドで練習にあけくれていた。瀧さんは7月の炎天下、ほぼ一週間にわたって、ピンマイクをひそかにしのばせて、取材ではなく友人のふりをして、他のマスコミ報道陣の目をかいくぐって、ユニホーム姿の長嶋さんのインタビューをつづけた。

 今、そのインタビューを読み返してみると「おい、瀧、マイクは大丈夫か。ちゃんとボタンを押しているか」と、長嶋さんが後輩の瀧さんの慣れないインタビューを心配してくれている声まで採録されている。行間から2人の息づかいまで聞こえてくるような、素晴らしい対話になった。

 「ナンバー10号」の「SOS 長嶋茂雄へラブコールを!」号は発売数時間で完売した。会社の女性電話交換手のKさんから「『ナンバー』10号はどこで買えますか、とさばききれないほど電話がかかってきた。あんな経験は昭和31年の『漫画読本』創刊のときと、昭和49年の『文藝春秋』11月号「田中金脈の研究」号以来、3回目のこと」と喜んでもらった。「ナンバー」はやっと読者に認められ、雑誌出版界の市民権を得た。

 瀧さんはここ数年、肝臓がんに苦しみ、長い闘病生活がつづいていた。自分のライフワークは少年野球の指導、と言い、闘病中とは思えないほど、精力的に全国を東奔西走していた。8月11日に長野で少年たちを指導中に大量の血を吐いて倒れ、3ヶ月入院してついに還らぬ人となった。

 11月24日の葬儀では、王貞治さん、篠塚和典さん、川相昌弘さん、につづいて、私も弔辞を読んだ。「よき野球人には、無私の愛、私を空しうする愛としか言いようのない、野球への純粋な愛があります。瀧さんは、そんな無私の愛を、全身からあふれこぼれるほどに持った人でした。瀧さんに技術指導を受けた多くの少年たちは、瀧さんの野球に対する無私の愛を、きっと心の深いところで感じているはずです。それは瀧さんがこの世に残した最高の贈り物でした」と述べて、弔辞の結びとした。

PageTop


本サイトに掲載の記事・写真・イラストレーションの無断転載を禁じます。 →ご利用条件