Jリーグは11月29日の最終日、磐田、鹿島、横浜と、ロスタイムの間に優勝が3転する、劇的なフィナーレになった。
この結果、横浜マリノスは第1、2テージの優勝を独占。昨年のジュビロ磐田に続いて今季も「両ステージの優勝クラブが同じ場合はチャンピオンシップは行われない」ことになった。
プロ・サッカー・リーグの世界の大勢は年間1シーズンの最多勝利クラブが王座に着く、のが普通で、トーナメント以外に、チャンピオンシップなどはない。前半、後半にリーグを分割、その1位でプレーオフ対決、という制度を採るのは、Jリーグだけである。前期、後期に分けている、アルゼンチンも、プレーオフは行っていない。
年間1シーズンで争いながら、なおかつ、プレーオフで王者を決めているプロスポーツは、地区制度で行うアメリカの4大プロだけだ。 Jリーグは昇格、降格は年間通算勝ち点で決め、個人タイトルも年間通算成績でタイトルを決めているのに、一番肝心な優勝をプレーオフで、という矛盾は、常に問題にされていた。
優勝プレーオフがあるのか、ないのか、最後まで決まらないため、準備をする関係者の苦労は大変。中止なら、すべてがフイになる。 今回も、もし、磐田が第2ステージに優勝していれば、会場がない悩みがあった。1万6000人しか収容できない磐田スタジアムしか使えなかった。 これでは、その日を待ちわびていた大半のサポーターは、チケットも手に入らない。「中止になって良かった」という人もいたほどだった。
今回の横浜の独占は、Jリーグも欧州の一流リーグと同じように、年間1シーズン制度で争い、チャンピオンシップを廃止する方式に移行する好機を作った。
Jリーグの鈴木昌チェアマンは「現在のスポンサー契約が切れる2004年以降は、新たな制度へ移る考えがある。2005年からはJ1、2ともクラブが増えるのも、新制度へのきっかけになる」と、ようやく改正へ踏み切る、という。 |