大リーグへの不満2003年のシーズンは、今年もワイルドカードから勝ち上がった、フロリダ・マーリンズがワールドシリーズに優勝。大リーグの王座に着いた。 昨年のエンゼルスに続く、2年連続のワイルドカード・チームの優勝は、史上初めてだ。9月からの猛スパートで2位を確保、その勢いに乗って3つのプレーオフを勝ち抜いた、マーリンズの試ぶりは、若さと団結で、ほれぼれするほど、見事なものだった。 だが、年間162試合も戦って、100勝前後の好成績を挙げた球団が、あっけなく敗退してしまう、現在の制度は、果たして満足できるか、どうか、疑問があるではないか。 昔は、リーグ優勝チームは、すぐ、ワールドシリーズ出場につながった。その中間のプレーオフなどなかった。すっきりした、リーグ代表同士の対決に全米のファンは注目し熱狂した。 いまや、もう「昔のやり方へ戻そう」という後戻りの議論は、全く起きていない。しかし、それでも、独走に近い成績を収めたジャイアンツや、ブレーブスが最初の5回戦制度の地区プレーオフで敗れるのは、何となく釈然としないではないか。 偶然さと、時の勢いに左右される、今の大リーグの優勝決定方式は、やがて、ファンからも、異論は出る。意外性と波乱は常に歓迎される、とは限らない。 テレビ視聴率が近年、急降下した原因も、そこにあるのではないか。 ジャイアンツのバリー・ボンズ外野手が前人未踏の500本塁打、500盗塁を達成した。レンジャースのアレックス・ロドリゲス遊撃手も、最年少27歳249日で300本塁打を達成。47本で3年連続の本塁打王と、初のMVPを獲得した。 華やかな個人成績が印象に残るシーズンだっただけに、公式戦最高の成績を挙げたチームが、ワールドシリーズの舞台を踏めない悲劇を繰り返さない道を、真剣に大リーグは考える時期に来た。 |