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【杉山 茂】チャンピョンは全国リーグで決めたい
【早瀬利之】ゴルフクラブのニューモデル戦争
【高田実彦】“ムダ排除”

vol.189 2004年2月25日号「スポーツマン、シニア世代の・・・」
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チャンピオンは全国リーグで決めたい
(杉山 茂/スポーツプロデューサー)

 22チームが参加した新機軸のラグビー日本選手権(決勝は3月21日)は、大方の予想どおりトップリーグ7チームと同チャレンジシリーズ1チームがベストエイトを占めた。

 これまでトップゾーンと一線を画していた全国クラブ大会や全国地区対抗大学大会の代表にも出場枠を拡げ、新しい試みを採ったが、上位戦がトップリーグ勢で争われることは、ハナから予想された。その通りになったわけである。

 こうした流れは、ラグビーにとどまらない。サッカーでも、バスケットボールでも、アイスホッケーでも、ハンドボールでも、ほぼ同じだ。

 サッカーの天皇杯(日本選手権)も、高校チームがJリーグ勢にからむなど“道中”の話題づくりはあるが、行き着くところは、定まっている。

 全国リーグが成熟し、各チームの意欲も高まっているにもかかわらず、日本選手権を捨てきれないのは“日本協会の事情”があるからだ。

 どの協会も、全国に加盟チームを持ち、それらのチームや所属する愛好者、競技者に、なんらかの全国的舞台を用意しなければならない。限られたチームを対象とした大会だけでは、「日本協会」に手続きしメンバーとなる意味が薄まる。

 ある協会の役員は全国リーグ至上とならないのは、数を頼む「加盟金、登録金対策」と苦しい情況を話す。

 もちろん、伝統や歴史の重みも大切にしなければならない理由の1つだろうが、もうそろそろ全国リーグこそが最高権威の大会とする意識が、観客、ファンを含めて固まっていい。

 日本のスポーツは、総当り戦より勝ち抜き勝負にこだわるのだろうか。充実をはかる全国リーグ勢に勝負を二の次と割り切って挑む姿に酔うのだろうか。

 そうした仕組みの大会があることを否定はしないが「日本選手権」を名乗りつづけるのはどうか。どのスポーツもチャンピオンチームは全国リーグの覇者であってこそふさわしい。

 センチメンタリズムは無用であろう――。

ゴルフクラブのニューモデル戦争
(早瀬 利之/作家)

 スポーツ産業の市場調査会社によると、ゴルフ用具はスポーツ産業全体の40%(日本市場)を占めて、第1位である。またゴルフクラブの日本市場は1,000億円で、アメリカは2,000億円、ヨーロッパが500億円、その他アジア、オーストラリアなどが残り500億円。世界マーケットは4,000億円と推定されている。

 日本では(1,000億円の市場)各社がニューモデルを発表して売りまくるのだが、今年のニューモデルの展示会が、先週の土曜まで、ビックサイトで開催され、私は2日間、取材をかねて見学した。

 今年の出展者数は177社。昨年より2社減った。かわりに、海外のクラブメーカーが増え、日本向けに発信していた。中国からはゴルフ場、クラブヘッドメーカーの展示場もあり、日本市場をにらんだセールスを展開していた。

 今年のニューモデルの特徴は、チタンヘッドとカーボンの複合クラブの二極対決である。高級チタンと複合クラブが、それぞれの性能を発揮して、ユーザーに売り込んでいる。

 1,000億円市場は、車など他のメーカーに比べると小さいが、ヒットすると、コストが安いだけに、利益の出る産業である。しかし、ユーザーは50歳代前後のゴルファーが殆どで、高級クラブのイメージが定着している。若者は1本5〜8万円というドライバーは買えない。中古クラブで間に合わせる状態だ。

 50歳代以上のゴルファーは、教育費、住宅ローンにも目鼻がつき、1本8万円のクラブを買っている。年齢的には80%が50歳代のゴルファーだといわれる。

 この4月のシーズンから、クラブメーカーは熱い戦いになる。国産、海外(外プラ)メーカーとも、日本市場で勝負をかける。もっとも9月には、早くもニューモデルが準備されていて、モデルチェンジが早いのも、ゴルフ用具界である。

“ムダ排除”
(高田 実彦/スポーツジャーナリスト)

 先ごろ、長嶋茂雄氏がダイエー・ホークスの新しいキャンプ地・宮崎市生目の杜運動公園の立派さに感激して宮崎市長にお礼の電話をした話を書いたが、今回は巨人の堀内恒夫監督が、これまた球界首脳陣がいうべきことを、きちんとチームに言っていることを書いておきたい。

 堀内監督は巨人ナインに、「試合を3時間以内に終わらせよう」と提案し、次のような“ムダ排除の6ヵ条”を言い渡した。@場内アナウンスをもっと早くするA打者テーマソングを短縮するB打席へは早足ではいるCチェンジは7割走でD投手は打者よりも先に構えろEベンチ前での出迎え禁止。

 どれもこれも野球を楽しみたいファンには、ありがたい話である。実際、今のプロ野球の進行状況はひどいもので、プレー以外のいらぬものがたくさんあり、そのためにダラダラ試合を見せつけられている。チェンジの時のノソノソした選手交代、打席に入るのに10秒も15秒もかけるのがいたり、入ってからも審判「待った」をかけるのが続出していたり。

 選手のテーマソングの中にはいいものもあった。たとえば、ひところのヤクルト飯田の「お猿のかご屋」はよかった。曲が軽快でいかにも飯田が猿のように足が速いように感じられた。また、巨人清原の「とんぼ」のウウウウウウ…が外野から合唱で流れてくるのにいやな感じはしなかった。しかし、誰でもかんでもの垂れ流しで、また中年クラス以上には聞いたこともないようなのをやられて、「なんじゃここは」という感じになっている。

 こういうのを、何とかしろ、と言い出すべきは、実はコミッショナーとか両リーグ会長ではないのか。彼らの会議では、よく「スピードアップ」が議題に上がる。しかし、監督会議などに出しても適当にあしらわれてしまっていた。求める方に切実な「どうしてもやるんだ!」という覚悟がないからである。その点、堀内監督は「3時間を越えたらオレはベンチにいないからな」と選手にいって、決意の固いところを見せている。

 堀内監督が強く言い出したのは、実は日本テレビが、今年また放映延長を30分間に切り上げたことと関連しているようだ。昨年まで2年間、延長1時間制でやってきたが、G+だかなんだかの契約を増やすために地上波視聴者にしわ寄せする方針を打ち出している。おそらく地上波テレビ関係者から堀内監督が「試合時間を短くしてくれないか」と要望されたのだろう。それを堀内監督が受け入れてこういう措置を取ることにしたのだろう。その意味では、堀内監督はテレビのご都合主義のお先棒を担いでいるともいえる。

 しかしプレー以外のムダ排除はテレビに関係なくやるべきことである。球界上層部が口を酸っぱくして現場に求めるべきことである。ただ念仏みたいに「スピードアップを」といっているだけで、出来ることではない。

 監督自らが「ムダ排除」を選手にいえば効果はあるだろう。長嶋氏の球界を代表しての「感謝の電話」といい、堀内監督の今回のお達しといい、彼らがプロ野球界のリーダーになってきたことを示している事例であると思う。


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