東京の人気スポット・お台場海浜公園を会場にして「ビーチスポーツ」のイベントが開かれた(4月24、25日)。
年間を通じて海辺で楽しく過ごせる環境作りをコンセプトに、昨年、初めて開かれたものだが、興味深いのはビーチバレーボールをはじめビーチフットボール(サッカー)、シーカヤック、ビーチハンドボール、ビーチドッジボール、ライフセービングなど多くのスポーツ団体が“連合”、プログラムを展開していることだ。
国内のスポーツ界は、横の連係をとるのが不得手。それが、スポーツを取り巻く問題が生じた時の“もろさ”にもつながる。
我がスポーツさえ被害をこうむらなければ、とばかりの姿勢が、協調の精神を片隅に押しこんでしまうのである。
企業チームの活動縮小や少子化といった共通の悩みが皮肉にも、困惑の額を集めさせるきっかけとなり、日本オリンピック委員会(JOC)が「球技復活プロジェクト」などを作り出しもした。
ビーチスポーツの“集合”は、1つのスポーツでは、海辺の使用の許可をとるのに手間がかかりすぎることから、各団体の参加が求め易く、コンセプトと巧く重なり合った。
こうしたアイディアや行動は、スポーツ界はもっと積極的に進められていい。
各スポーツの日本リーグ関係者で、運営面での効率を図るため、協議機関を設けたらとの声も上りはじめているようだが、そうなればスポーツごとにリーグ戦の開催曜日を振り分け定着させることも可能だし、シーズン制の確立も考え易くなる。
海辺の新たな文化を打ち出したビーチでのイベントはスポーツと社会の関わりの濃さを改めて示した。
スポーツは競技力の高さだけが“売りもの”ではない。この視点も、日本のスポーツ団体には欠けている。
チャリティ、社会的な記念行事…。主催者側から声をかけられて腰を上げるのではなく、スポーツ側が、そこへの参加により敏感でありたい。
音楽イベントとのコラボレーションも、そろそろ本格的な試みが生まれないものだろうか。
お台場でも、タヒチアンダンスのパフォーマンスが、新鮮で、スポーツと溶け込んで、場を盛り上げていた―。 |