9月17日、オリンピック発祥の地であるギリシャで、障害者スポーツの祭典、パラリンピック・アテネ大会が開幕した。
今大会は、前回シドニー大会の123カ国を超える史上最多の136の国と地域から約4000人の選手たちが参加。 現地時間の17日夜8時半から始まった開会式では、各国、民族衣装や色とりどりのコスチュームに身を包んだ選手たちの入場に、観客席からも大きなウェーブが沸き起こるなど、スタジアムが一体となり盛りあがった開会式は夜中の12時に幕を閉じた。
今大会は日本からは163名の選手が参加しており、前回シドニー大会で金メダル6個を獲得した水泳の成田選手をはじめメダル獲得の期待のかかる選手も多数いる。その中でも注目すべきは、スポンサーを獲得し「プロ」として競技活動を行っている選手たちがいること。
欧米では障害者スポーツの「プロ」は決して珍しいことではないが、日本においても障害者スポーツの世界に「プロ」と「アマチュア」という概念ができつつある中での、今大会は初の日本人「プロ」選手が参加するパラリンピックとなる。
「参加することに意義がある」といわれていたオリンピックが、商業主義・メダル至上主義へと変貌を遂げている中で、パラリンピックもまた「勝つことが最大」であるという意識を持って競技に望む選手が増えている。
障害者スポーツのプロ第1号でもある陸上の土田和歌子選手のように、プロとなって生活の大部分の時間を競技や練習の時間に増やし、専門的な知識を得ながら競技に適した肉体改造を行う「プロアスリート」してパラリンピックに臨む選手たちがどのような活躍を見せてくれるのか。
「障害者スポーツ」が今後どのような形で発展していくのか、占う大会となりそうだ。 |